研究主題にかかわる実態調査
   県内の公立小学校・中学校・高等学校の児童生徒及び教師を対象として,自らの問題意識をもとに,調べて考える社会科学習の指導の在り方について実態調査を実施した。
  (1)  調査の対象
   
 児童生徒…  校種別に学校規模や地域性を考慮して,調査校を抽出した。抽出した小学校10校の第6学年,中学校14校の第2学年,高等学校12校の第2学年で調査を実施した。回答者数は小学校276人,中学校418人,高等学校428人である。
 教師…  児童生徒の調査対象として抽出した小学校・中学校の社会科担当教師各校1人,高等学校の地理歴史・公民科担当教師各校2人を対象とした。回答者数は小学校・中学校・高等学校教師合わせて300人である。
  (2)  実施時期  平成14年9月12日(木)から9月20日(金)まで
  (3)  調査結果及び分析
   
  •  社会科学習指導に関する調査項目数は,児童生徒と教師に対してはそれぞれ6項目とした。そのうち特に研究主題にかかわる項目について小・中・高等学校にそれぞれ4項目を示した。
  •  表中の数値は各問ごとの全回答数に対する割合(%)である。
  •  教師の回答はすべて,複数回答とした。
     児童生徒の実態調査の分析
       児童生徒を対象とした調査では,児童生徒の社会科学習への取り組み等を調べ,その現状を明らかにするとともに,授業研究の参考にすることにした。その結果の分析については次のとおりである。
      (ア)  自分で調べてみたいという気持ちになるとき(表1)
        表1 自分で調べてみたいという気持ちになるのは,どんなときですか。(%)
  全体
ア 先生の出してくれた学習問題が大切だなと感じたとき。 12.8 18.8 12.6 14.7
イ 資料を見たり,調査したりして「おかしいな」と感じたとき。 17.5 17.3 17.6 17.5
ウ 友達の発表や考えに興味や関心をもったとき。 18.6 15.3 13.8 15.9
エ 社会の出来事や事実に対して「不思議だな」と感じたとき。 30.7 25.3 28.3 28.1
オ 分かっていると思ったことが実は分からないと感じたとき。 20.0 22.3 25.0 22.4
カ その他 0.4 1.0 2.7 1.4

 全体の数字を見ると「エ 社会の出来事や事実に対して『不思議だな』と感じたとき」が28.1%,「オ 分かっていると思ったことが実は分からないと感じたとき」が22.4%,「イ 資料を見たり,調査したりして『おかしいな』と感じたとき」が17.5%という結果だった。こうした結果から,児童生徒は,社会的事象との出会いにおいて,社会の出来事や事実に対して疑問をもったときや生活経験が揺さぶられたときに,自分で調べたいという気持ちになっていることが推察できる。「エ 社会の出来事や事実に対して『不思議だな』と感じたとき」の数値が小学校・中学校・高等学校において高いのは,教師が児童生徒に社会の出来事や事実に目を向かせ問題意識を育ててから,自分の学習課題を解決していく学習が行われているのからではないかと考えられる。「ウ 友だちの発表や考えに興味や関心をもったとき」は小学校・中学校・高等学校と校種が上がるほどその数値は減少している。小学校においては,問題意識をもたせるために「友だちの発表や考えを聞く場」を設定することは有効な方法の一つと考えられる。また,「ア 先生の出してくれた学習問題が大切だなと感じたとき」では,小学校・高等学校の数値が低い。これは,児童生徒が学習問題を与えられたものという意識が強く,調べてみたいという気持ちになっていないのではないかと考えられる。
      (イ)  学習問題について,自ら進んで調べようと思うとき(表2)
        表2 学習問題について,自ら進んで調べようと思うときはどんなときですか。(%)
  全体
ア 自分なりに学習計画を立てられたとき。 12.3 15.1 14.0 13.8
イ 自分なりに学習問題が理解できたとき。 15.7 23.5 25.4 21.5
ウ 先生が学習の手引きを用意し,調べる手順を教えてくれたとき。 12.3 15.1 13.7 13.7
エ 複数の学習問題から自分が選択して,調べられるとき。 24.4 23.4 22.0 23.3
オ 友達と情報交換しながら調べられるとき。 35.3 22.7 22.7 26.9
カ その他 0 0.2 2.2 0.8

 全体の数値を見ると「オ 友だちと情報交換しながら調べられるとき」が26.9%,「エ 複数の学習問題から自分が選択して,調べられるとき」が23.3%,「イ 自分なりに学習問題が理解できたとき」21.5%と答えている。このことから,小学校では,学習問題の追究の見通しをもつ手だてとして「オ 友だちと情報交換しながら調べられるとき」の数値が高く,中学校・高等学校では,「イ 自分なりに学習問題が理解できたとき」の数値が高い。また,「エ 複数の学習問題から自分が選択して,調べられるとき」の数値は小学校・中学校・高等学校とも同程度であり,教師が児童生徒に,自ら進んで見通しをもって調べさせるためには,複数の学習問題から自分で学習問題を選択して調べることができるように準備していくことが大切と考えられる。「イ 自分なりに学習問題が理解できたとき」の数値が校種を上がるほど高くなっていることから,児童生徒が,既習経験を基に問題解決の見通しをもって,進んで調べ活動ができるようになるためには,学習問題の理解が大切と考えられる。「ア 自分なりに学習計画を立てられたとき」の低い数値になっているのは,学習計画を立てて学習を進めていくという学習過程が習慣化されていないのではないかと推察できる。
      (ウ)  調べ学習を行った後の自分の考えのまとめ方(表3)
          表3 調べ学習を行った後,自分の考えをどのような方法でまとめようとしていますか。(%)
  全体
ア 今まで学習してきた調べ方をもとに自分なりに工夫して考えまとめる。 20.4 26.4 27.0 24.0
イ グループでの話し合いを通して,自分なりに考えをまとめる。 17.5 18.1 14.2 16.6
ウ 学級全体での話し合いを通して,自分の考えをまとめる。 3.5 4.7 3.4 3.9
エ 見学,調査など作業や体験の活動を通して,自分の考えをまとまる。 20.1 14.7 16.0 16.9
オ 先生が話してくれたり,示してくれたりした方法を基にまとめる。 10.9 10.9 10.0 10.6
カ 教科書や資料集などを参考に,自分の考えをまとめる。 27.4 25.0 28.7 27.0
キ その他 0.2 0.2 0.7 0.4

 「調べ学習を行った後,自分で考えをどのような方法でまとめようとしていますか」の問いに対して,27.0%が「カ 教科書や資料集などを参考に,自分の考えをまとめる」と答えている。このことから,自分の考えをまとめる場合は,教科書や参考書を参考にしてまとめている割合が高い。また,「ア 今まで学習してきた調べ方をもとに自分なりに工夫して考えをまとめる」という回答も多く,さらに小学校・中学校・高等学校と校種が上がることによって数値が高くなっているのは,今までの学習経験を生かして学習内容を自分なりに工夫してまとめる機会が増えたからではないかと考えられる。「ウ 学級全体での話し合いを通して,自分の考えをまとめる」という数値が低いのは,学級全体で話し合う機会が設定されていないからではないかと考えられる。
      (エ)  最後まで調べ学習を続けるために必要なこと(表4)
          表4 学習問題をあきらめずに,最後まで調べ続けられるためには,どんなことが必要ですか。(%)
  全体
ア 自分で学習問題を選べること。 19.0 18.1 22.8 20.0
イ 先生が,困ったときには助言や励ましの言葉をかけてくれること。 7.1 8.7 9.4 8.4
ウ 先生が,学習の手引きやプリント等を準備してくれること。 9.3 14.2 14.5 12.7
エ 少人数で情報交換できる時間を設定してくれること。 22.2 19.1 17.5 19.6
オ 学級全体で情報交換できる時間を設定してくれること。 5.6 7.5 5.4 6.2
カ 資料収集のために,コンピュータや図書館等を自由に使えること。 36.6 32.3 29.0 32.6
キ その他 0.2 0.1 1.4 0.5

 全体の数値を見ると「カ 資料収集のために,コンピュータや図書館等を自由に使えること」が32.6%と答えており,追究活動を持続させるための手段としてコンピュータや図書館等の活用が必要と考えている。小学校・中学校で2番目に高い数値を示しているのが「エ 少人数で情報交換できる時間を設定してくれること」,高等学校では「ア 自分で学習問題を選べること」と答えており自分で学習問題を選び学習の見通しをもって学習活動を進めることが追究活動を持続させるための手だての一つと考えられる。「エ 少人数で情報交換できる時間を設定してくれること」は19.6%で,少人数で情報交換のできるような場を設定を必要としているのは,自分の考えを振り返ることができる大切な学習の場と考えているようである。「ウ 先生が,学習の手引きやプリント等を準備してくれること」の数値から,小学校・中学校・高等学校と校種が上がるほど学習の手引きやプリントを必要としている傾向が推察できる。
 一方,「イ 先生が,困ったときには助言や励ましの言葉をかけてくれること」や「オ 学級全体で情報交換できる時間を設定してくれること」が低い数値を示している。
     教師の実態分析
       教師が普段の授業の中でどのように,「自らの問題意識をもとに,調べて考える社会科学習の指導の在り方」について意識し,指導に取り組んでいるか調査を行った。その結果の分析については次のとおりである。
      (ア)  問題意識をもたせるための工夫(表5)
        表5 児童生徒に問題意識をもたせるためにどのようなことをしていますか。(%)
  全体
ア 提示する学習問題を吟味し,切実感をもたせるようにしている。 22.5 24.5 27.5 24.8
イ 矛盾や疑問を感じるような資料を準備し提示している。 16.5 17.0 11.5 15.0
ウ 生徒同士が疑問や問題点について話し合う場を設定している。 24.5 13.5 3.0 13.7
エ 社会の出来事に目を向かせ,疑問をもたせるようにしている。 23.0 34.0 41.0 32.7
オ 分からないことがまだまだたくさんあることに気づくようにしている。 13.5 8.5 16.5 12.8
カ その他 0 2.5 0.5 1.0

 「児童生徒に問題意識をもたせるためにどのようなことをしていますか」の問いに対して,32.7%の教師が「エ 社会の出来事に目を向かせ,疑問をもたせるようにしている」,24.8%が「ア 提示する学習問題を吟味し,切実感をもたせるようにしている」を挙げている。このことから,教師は児童生徒に身近な出来事から学習内容に関係あることを選び,問題意識を育てることが学習活動に有効と考えているようである。特に,「エ 社会の出来事に目を向かせ,疑問をもたせるようにしている」は,小学校・中学校・高等学校と校種が上がるにつれて,数値が高くなっている。このことは,校種が上がることによって学習経験が豊富になって,社会の現状から疑問を見つけることができるようになっていくからではないかと考えられる。「ウ 生徒同士が疑問や問題点について話し合う場を設定している」の数値が,小学校・中学校・高等学校と学校が上がるにつれて低下している。小学校・中学校は学習活動の中に話し合う場を多く取り入れているが,高等学校は学習活動の中で話し合い活動があまり取り入れられない傾向がある。表4「エ 少人数で情報交換できる時間を設定してくれること」の数値からも,高等学校でも疑問や問題点について話し合う場の設定を多くすることが望まれるのではないかと考えられる。
      (イ)  追究の見通しをもたせるための工夫(表6)
          表6 児童生徒に追究の見通しをもたせるためにどんな工夫をしていますか。(%)
  全体
ア 自分なりに学習計画を立てることができるように,時間を確保している。 13.5 14.0 5.5 11.0
イ 教師が,学習の手引きなどを作成している。 7.5 11.5 11.5 10.2
ウ 教科書を参考にして,自分なりに追究できるように支援している。 33.0 31.0 20.5 28.2
エ 教師が適切な資料を収集し提示することで,自分なりに追究できるように支援している。 19.5 25.5 34.0 26.3
オ 児童生徒同士が情報交換する場を設定し,自分なりに追究できるように支援している。 24.0 14.5 8.5 15.7
カ あまりやらせていない。 1.5 2.5 17.0 7.0
キ その他 1.0 1.0 3.0 1.7

 全体の数値を見ると28.2%の教師が「ウ 教科書を参考にして,自分なりに追究できるように支援している」と答えている。しかし,小学校・中学校・高等学校へと校種が上がることによって低くなっていくのは,学習問題の追究の見通しをもたせるための手だてとして教科書を参考にするのではなく,教科書以外の資料を参考にしてることが多いのではないかと推察できる。一方,26.3%が「エ 教師が適切な資料を収集し提示することで,自分なりに追究できるように支援している」と回答しているが,小学校・中学校・高等学校へと校種が上がることによって数値が高くなっていることから,児童生徒が主体的に学習問題への追究の見通しをもてるように,授業で使う資料の活用法や種類を増やしているからではないかと考えられる。また,「ア 自分なりに学習計画を立てることができるように,時間を確保している」が11.0%,「オ 児童生徒同士が情報交換する場を設定し,自分なりに追究できるように支援している」も15.7%と全体の数値が低く,校種が上がるつれて数値が低くなる傾向が見られる。
      (ウ)  調べて考える場の工夫について(表7)
        表7 調べて考える学習を児童生徒にどのような場で行わせていますか。(%)
  全体
ア 自分なりにレポート等を作成させ,考えをまとめさせている。 20.5 35.0 22.0 25.8
イ グループでの話し合いを通して,自分の考えを深めさせる。 15.5 13.5 2.0 10.3
ウ 個人やグループの意見発表などを通して,学級全体の中で発表させる。 19.5 23.0 6.5 16.3
エ ディベートや討論を行い,個々の考えの違いや共通点を明らかにさせる。 6.0 4.0 4.0 4.7
オ 見学,調査などの作業的,体験的な活動をさせる。 29.0 7.5 10.5 15.7
カ 学習過程全般で自分の考えを深めさせている。 7.5 15.5 34.5 19.2
キ あまりやらせない。 1.0 1.0 19.0 7.0
ク その他 1.0 0.5 1.5 1.0

 「調べて考える学習を児童生徒にどのような場で行わせていますか」の問いに対して,教師の25.8%が「ア 自分なりにレポート等を作成させ,考えをまとめさせている」と答えている。教師は,児童生徒一人一人が自分の考えをまとめていく場を設定することが有効と考えている。また,19.2%が「カ 学習過程全般で自分の考えを深めさせている」と回答しているが,小学校・中学校・高等学校へと校種が上がることによって数値が高くなっている。特に高等学校では,学習過程全般で自分の考えを深めさせる学習指導が展開されているのではないかと考えられる。
次に,「オ 見学,調査などの作業的・体験的活動をさせる」は小学校の教師の数値は高く,直接体験による調べて考える学習活動を学習過程の中に取り入れている様子がうかがえるが,中学校・高等学校は低い。また「イ グループでの話し合いを通して,自分の考えを深めさせる」,「ウ 個人やグループの意見発表などを通して,学級全体の中で発表させる」の数値を見ると,小学校・中学校は調べて考える学習活動の中で話し合いの場を有効と考えている教師の割合が比較的多いことが分かる。高等学校の数値が低いのは,学習形態の中でグループ学習等での情報交換の場を設定することが少なく,一斉授業の中で個人の活動を大切にした授業形態をとっているためと推察できる。
      (エ)  問題意識を持続させるための,調べて考える学習の工夫(表8)
        表8 単元を通して問題意識を持続させるために,調べて考える学習をどのように工夫をしていますか。
  全体
ア 教師が適切な資料を提供している。 24.5 34.5 47.5 35.5
イ 随時,児童生徒同士が少人数で情報交換する場を設定している。 22.0 25.0 7.5 18.2
ウ 学級全体で情報交換する場を設定している。 28.0 19.5 7.0 18.2
エ 中間発表の場を設定している。 18.5 13.5 1.5 11.2
オ あまりやらせていない。 5.0 5.0 33.5 14.5
カ その他 2.0 2.5 3.0 2.5

 全体の数値を見ると35.5%の教師が「ア 教師が適切な資料を提供している」と答えている。特に,47.5%の高等学校の教師は学習進度や学習形態を考えた場合,生徒に問題意識を持続させるためには,適切な資料の提供が有効と考えている。一方,「ウ 学級全体で情報交換する場を設定している」の数値で見ると,小学校・中学校では,「情報交換の場」として学級全体を重要視している傾向が見られる。小学校・中学校では,問題意識を持続させるために学級やグループ等の活動を重視し,高等学校では,資料をもとにした授業の重視を考え,より専門的な知識の習得を重視している様子がうかがえる。また,小学校・中学校は問題意識の持続のために,「エ 中間発表の場を設定している」を取り入れている教師が多い反面,高等学校では少ない。「オ あまりやらせていない」の数値が高等学校で高いことと高等学校学習指導要領地理歴史編/公民編にある主題学習の重視ということを併せて考えると,今後,調べて考える学習を学習過程のなかで実施していく必要があるのではないかと考える。
  (4)  調査のまとめ
     問題意識をもたせるためには,児童生徒も教師も「社会の出来事に目を向け,疑問をもてるような場面を設定する」ことが大切と考えている。教師は問題意識をもたせるために「提示する学習問題を吟味し,切実感をもたせるようにしている」と回答している割合が多いが,反面,児童生徒は,「先生の出してくれた学習問題が大切」という回答の数値はあまり高くなく,教師側の意図と児童生徒側の認識に違いがみられる。
     追究の見通しをもたせ,主体的に調べようとするためには,児童生徒は「友だちとの,情報交換の場」で自分の追究活動の方向性や軌道修正を行うこと,及び,「複数の学習問題から自分で選択し,調べ」自分の興味・関心を基にした追究活動ができることを望んでいる割合が多い。教師は「教科書を参考」にしたり,「教師が収集し,作成した資料を参考にしたりする」ことが,見通しをもたせ調べて考える学習において重要な位置付けを示すものと考えているようである。しかし,児童生徒も教師も「自分なりに学習計画を立てる」の回答の数値が低く,学習計画を立てた追究活動が十分に行われていない考えられる。
     自分の考えをまとめる方法として児童生徒や教師は,「自分なりにレポート等を作成し,個人やグループの意見・発表を通して自分の考えを深める」と回答している割合が多い。児童生徒は,「教科書や資料集などを参考」にして,自分の考えをまとようとすることを重要視し,教師は「学習過程全般を通して」自分の考えをまとめさせようとしていることがうかがわれる。また,児童生徒は,グループでの話し合い活動を通して自分の考えをまとめようとする活動が大切ではないかと考えている。しかし,教師はグループや学級全体での話し合い活動などを通して自分の考えをまとめる話し合い活動の必要性については,小学校・中学校・高等学校と校種が進むにつれて割合が少なくなっている。
     問題意識を持続させ,調べて考える学習を行うには,教師は,「適切な資料を提供する」ことが重要であると考えている割合が多い。問題解決への見通しをもたせるには,児童生徒の実態に合った資料を準備し,調べさせるだけでなく,調べた内容を関連付けたり,結論付けたりできる資料が大切と考えている。「自分で学習問題を選べること」と回答した児童生徒の割合が多いことから,児童の興味・関心に基づいた学習問題を設定することが大切であると考えられる。また,児童生徒は,グループで情報交換する場を設定することが大切である考えている割合が多いが,学級全体での情報交換の場の必要感を感じていないことが分かる。一方,教師も,小学校・中学校・高等学校と校種が進むにつれてその割合が少なくっているものの少人数での情報交換は必要と考えている。


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