研究主題に迫るための手だて
   実態調査の結果を踏まえ,次の(手だてT)〜(手だてW)を講じて研究を進めた。
  (1)  「子どもの気付きが成立するような活動の場を保証する。」ための指導について
     (手だてT)…  子どもが身近な環境に興味・関心をもつための手だて
       子どもが身近な自然に興味・関心をもつためには,まず活動そのものが感動や驚きが生まれるようなものでなければならない。そのような活動になるよう活動の計画を綿密に行う必要がある。また,子どもたちの興味関心に細かく対応できるように,ティーム・ティーチングを導入したり,人材マップを整備したりすることも大切である。また,具体的な活動や体験をより一層重視したり,体験活動の前に学習する視点の話し合いなどの際,自由な発想ができるようブレイン・ストーミングを実施したりするのも大切である。
     (手だてU)…  子どもの思いや願いを生かすための手だて
       体験活動の後,子どもは一人一人様々な思いや願いをもつ。その思いや願いに対応できるように多様な素材や用具を準備しておくことも大切なことである。また,教師一人では限界があるので,子どもたちの思いや願いを予想し,それに対応したヘルプカードや,調べ方カードを導入するなど指導上の工夫も大切である。
  (2)  「子どもが知的な気付きを自覚できる。」,「子どもが発する気付きを教師自身が知的だと受け止める。」ことについて
     (手だてV)…  子どもが自分を振り返り,自分自身や自分の生活について理解を深めるための手だて,教師が子どもの気付きを見取るための手だて
       子どもが自分を振り返り,自分自身や自分の生活について理解を深めるためには,多様な子どもの気付きどのようにして見取るか,また,その気付きにどう対応するか,あらかじめ支援の計画を立てておく必要がある。そのために,子どもたちの気付きを見取るための発見カードや概念地図等の活用,子どもたちの気付きをどのように支援するか支援表の活用が大切となる。また,体験活動の後,振り返りや互いの体験を共有する場の設定等も大切である。
  (3)  「子どもの気付きが,次の活動に生きる。」ための指導について
     (手だてW)…  子どもが,思いや願いを広めるための手だて
       子どもが,思いや願いを広めるためには,体験活動でどのようなことに気付いたか気付いたことを想起する必要がある。気付きのもっている特徴を考えると,気付きを思い出すための概念地図等の活用や,自由な雰囲気で意見を述べ合うためのブレイン・ストーミング等は有効な手だてとなる。


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