1.  「インターネットを利用する教材」の開発方法
     Web教材の開発方法をまとめるに当たり,これまで7つの型に分類してきたWeb教材を,表3に示すように,更に「静的」「動的」「対話的」の3項目で分類することにした。この3項目は,Web教材を表現方法や利用の形式などの観点で分類するものである。観点の詳しい内容については,表3の中に記述してある。表中の○印は,Web教材がそれぞれの欄に該当することを示している。教材1〜8についてもそれぞれ該当する欄に記述した。
     次に,「静的」「動的」「対話的」の3項目について開発方法をまとめ,表4に示した。
     表4から,「静的」「動的」「対話的」の順に,開発方法が高度になっていることがわかる。また,「静的」「動的」「対話的」の順に,機能及び利用条件等がクライアント(利用者のコンピュータ)側からサーバ(Web教材を提供するコンピュータ)側へとシフトしていることもわかる。このことから,「対話的」なWeb教材については,Webサーバやスクリプト言語などに精通している教師でないと,開発は難しいと考えられる。
     反対に,「静的」なWeb教材については,Webページを作成できる教師であれば,誰でも開発することができると考えられる。それは,「教材3」の実践で述べたように,「ホームページ・ビルダー」など専用のWebページ作成用ソフトウェアを使えば,手軽にWeb教材を開発することができるからである。また,最近のワープロソフトには,Webページ作成機能が取り入れられているので,それを利用することもできる。従って,「インターネットを利用する教材」は,この「静的」なWeb教材を基盤として,今後は開発が推進されると考える。

    表3 Web教材の分類
      静 的 動 的 対話的
    テキストや画像で構成されたWeb教材 映像など動的な表現を取り入れたWeb教材 利用者が対話形式で学習するWeb教材であるが,利用者の要求によってWebサーバ側のプログラムが起動し,その結果を利用者に返送したり,データベースを利用したりできるWeb教材
    利用者が対話形式で学習するWeb教材
    (ただしWebサーバ側のプログラムは利用できない。)
    解説指導型 ○(教材3) ○(教材1)  
    情報検索型   ○(教材2,教材4)
    ドリル学習型 ○(教材7,教材8)
    シミュレーション型   ○(教材6) ○(教材6)
    作業型   ○(教材7)
    計測制御型     ○(教材5)
    チュートリアル型    


    表4 Web教材の開発方法
    項 目 機能及び利用条件等 開発言語 開発用ツール
    静的な
    Web教材
    特になし ・HTML エディタ
    ワープロ等
    作成用ソフトウェア
    動的な
    Web教材
    プラグイン
    ・映像などのデータに対応するプラグイン
    ・スクリプト言語に対応するプラグイン
    ・プログラミング言語に対応するプラグイン
    ・HTML エディタ
    ワープロ等
    作成用ソフトウェア
    ・JavaScript エディタ
    作成用ソフトウェア
    ・VBScript エディタ
    作成用ソフトウェア
    ・Java Applet 開発環境+ エディタ
    作成用ソフトウェア
    対話的な
    Web教材
    ASP
    ・Windows系サーバ
    ・IIS
    ・JavaScript
    ・VBScript
    ・SQL言語
    ・Peal
    エディタ
    作成用ソフトウェア
    自動生成ソフトウェア
    CGI
    ・UNIX系サーバ
    ・Webサーバ
    ・Peal エディタ
    ・C言語など 開発環境+ エディタ
    Java Servlet
    ・Windows 又はUNIX系サーバ
    ・Webサーバ
    ・コンテナ
    ・Java 開発環境+ エディタ
    データベース
    ・ASP 又はCGI 又はJava Servletの環境
    ・データベースエンジン
     (Access,Oracle,PostgreSQL等)
    ・SQL言語 エディタ
    ・専用のスクリプト言語
    計測制御
    ・Webサーバ
    ・計測機器,制御装置等
    ・プログラミン グ言語 開発環境+ エディタ
    ・専用ソフトウェア  
    ※ HTMLはすべての教材で使用される。


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