【教材2】 URL自動収集プログラムを利用したリンク集の開発 |
土浦市立大岩田小学校 教諭 山口 正信 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1) | 教材開発のねらい | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
文部科学省が進めてきた教育の情報化に関する事業により,多くの学校がインターネットに接続され,高速でインターネットに接続できる環境が整備されてきた。また,コンピュータ室や教室の整備も合わせて行われ,児童生徒がコンピュータを使いやすい環境が整ってきた。 インターネット上には,様々な情報があり,公的機関なども積極的に情報の発信をするなど,学習に使える教材は少なくない。これらの情報を上手に活用すれば,新鮮な多くの事柄を知ることができるなどの利点も多い。その反面,児童生徒が有害な情報に出会う機会も増してきた。また,有用な情報であっても内容が難しくて把握できず,役立てられないこともある。現状において,インターネット上の情報の大部分は,大人向けであり,難しい漢字や言葉などが使用されている。学習において,いろいろな事柄を調べるときに,本の他にインターネットの検索機能を利用して調べることも,かなり増えてきている。インターネットで調べる方法は,様々な会社で提供している検索サービスを使うことが多い。サービスの内容や質,表示の仕方などは様々であり,調べられる事柄の違いもあるなど,使い分けをしていかなければならなかったり,子供用検索では十分な内容が調べられない場合が多い。 現状としては,小学3年生以上にもなると,調べ学習などでコンピュータを積極的に使うようになってくる。また,平成14年度から教育課程に位置付けられる総合的な学習の時間では,知り得たい情報を調べるときにインターネットを積極的に活用することが期待されている。いろいろな情報を得ようとして,コンピュータに向かって検索などをする児童の姿を見ることは,当たり前になってきた。また,教科学習においても,コンピュータを使う時間を設けるなど,積極的な活用を進めている。しかし,小学生の力ではなかなか目的の情報を収集することができないのが現状のようである。見つけても難しい漢字や単語が並んでいるWebページが多く,内容の把握を的確に行うことが困難である。まる写しをしたり,そのまま印刷したりして内容を十分に確認しないこともある。また,目的とする情報が見つからずに1時間を無為に過ごしてしまい,意欲が下がってしまう児童も見受けられる。そのような理由から,学習に役に立つWebページを探し出しやすいようにしてあげれば,学習の効率化が図れるのではないかと考え,ある情報に関連したURLにリンクさせることを主な目的とするWebページ,いわゆる「リンク集」を作成することを考えた。 |
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(2) | 教材の内容 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(3) | 開発の方法 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(4) | 教材の活用例 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
三つのプログラムを利用して作成したリンク集を校内学習用ホームページに掲載して,授業で使ってみた。次は,4年生の国語で実践を行ったときの様子である。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(5) | 今後の課題 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リンク集における一番の大きな課題は,学習に使えるWebページへのリンクの更新である。インターネット上には,様々な情報が氾濫している。また,情報の更新やサイトの移動もしばしば行われている。リンクした時点で,そのWebページが役に立っていても,いつまでも有用であるとは限らず,また,そのサイトがなくなってしまうこともある。そのため,頻繁にチェックして学習に役に立つサイトの情報を,常に新しい状態に保つことが必要になってくる。実際に,このリンク集の点検においても,1年間で,2割程度のURLの変更やリンクの削除をしなければならなかった。総合的な学習の時間が始まり,児童の調べものに対する意識も変化してきている。事前に調べる内容が多岐にわたりリンク集を用意しにくい場合が見られることも多くなってきた。また,学習課程の変化にも速やかに対応しなければならない。更に,教育関係の公的なサイトも増えてきているので,それらの活用も試みていかなければならない。 次の課題として,情報の収集においては,学校等の教育関係者からの協力が必要不可欠である,ということが挙げられる。今回は,ある学校の協力により,そこで使用しているリンク集を紹介していただき,本教材の作成に大いに役立てられたが,協力の範囲をますます広げるに当たっては,様々な方策を考える必要があると感じている。 また,学習者の立場から使いやすいリンク集に改良していくことも大事であり,継続して使ってもらう以上,デザインの見直しなどをしていかなければならないと思われる。 更には,検索エンジンに見られるようなURLの自動収集の仕組みや,利用者による登録の自由化ができれば,メンテナンスの負担が減る可能性もある。 リンクしたWebページで使用している漢字の問題については,「ひらがなナビィ」(富士通ラーニングメディア)のような児童向けの漢字変換ソフトウェアを使うなどの工夫が必要である。これに関して,最近では「教育情報ナショナルセンター」のこどものページや「キッズgoo」のような児童向けのサイトで対応しているところも出てきている。 他のサイトへのリンクは,許諾が得られればサイト内のどのWebページにでもリンクさせられるが,作成者によってはリンクするWebページなどを指定している場合もある。しかし,現実問題として,そのページから目的の情報へたどり着きにくいことがあったり,学習に不向きなページが途中にあったりすることも少なくない。また,情報源として個人のWebページの情報を使用する場合,その真偽の確認などをする必要もある。このようなことを考えると,適切な学習効果を上げるためのリンク集を維持することは,管理面の負担が大きいと言わざるを得ない。 |
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【参考文献】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
・「Visual Basic 6.0 300の技 ネットワーク+データベース編」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
松田 猛,小高 郁 技術評論社 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
・「NEW教育とコンピュータ別冊 Pasotea」(4月号〜10月号) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学習研究社 |