平成10年7月の教育課程審議会答申,「自ら学び,自ら考える力を育成すること」の中で,知的好奇心・探究心をもって,自ら学ぶ意欲や主体的に学ぶ力を身に付けるとともに,試行錯誤をしながら,論理的な思考力,判断力,表現力,問題を発見し解決する能力を育成し,創造性の基礎を培い,社会の変化に主体的に対応し行動できるようにする必要があると提言されている。また,理科の改善の基本方針として「小学校,中学校,高等学校を通じて,児童生徒が知的好奇心や探究心をもって,自然に親しみ,目的意識をもった観察,実験を行うことにより, 科学的に調べる能力や態度を育てるとともに,科学的な見方や考え方を養うことができるようにする。」ことが示されている。
理科学習では,自然の事象の中に問題を見いだし,目的意識のある観察,実験を通して結論を得るまでの一連の活動を体験させることが大切である。こうした主体的・意図的な活動を通して,児童生徒の科学的に調べる能力や態度が育てられ,問題解決の過程で科学的な思考力が育てられると考えられる。
そこで,児童生徒の自ら学び,自ら考える力を育成することをねらいに,「観察,実験を通し,科学的な思考力を育てる理科学習の指導の在り方」を本主題に設定し,各学校における学習指導の改善・充実に役立てることができるようにしたいと考えた。