ア |
問題解決的な学習の充実を図るための工夫について
課題を決める場合,その解決方法についてもみんなで話し合った。「何気なく聞いてみよう。」「キッチンを探してみよう。」という話合いは,製作に対する関心・意欲を高めることになった。
児童が作りたいと願う作品の見本を用意したことで,児童は具体的なイメージをつかむことができた。「なべつかみ」のひもの付け方は児童のつまずきやすいところである。チュ―ル地の透き通る標本によって構成を理解して説明図に書き込むことができた。ブックカバーのような,構造や布端の始末が難しい物については,具体的にイメージをつかむための試し作りが効果的であった。
製作する物によるグループの編制は,いつでも相談できたり励ましあったりできて製作への意欲を高めることができた。課題や解決方法を共有しあうということは,今後のいろいろな場面でも役立ち,応用をきかせて課題解決する力を付けることができると考える。 |
イ |
個に応じた指導方法について
G・Tとして保護者に参加してもらったことは,児童にとっても,家庭科の授業を理解してもらう上でも効果的だった。学習のめあてを十分に理解してもらうために,事前の打ち合わせを綿密に行ったことにより,円滑に授業ができた。児童がいつでも相談できるアドバイザーがそばにいることは,活動意欲を持続することにつながった。また,児童は,自分の考えをしっかりともってアドバイスを受けることができた。
G・Tと児童のかかわり
|
ウ |
基礎・基本を身に付ける工夫について
自分の作りたい物については具体的なイメージがつかみにくいものである。段階標本は問題を解決するのに役立った。また,布端の始末については,簡単な縫い方の見本が役立った。「家庭科」の最初の学習で「家庭科室の使いかた」のしおりを配り,全体説明をしているが,安全面を配慮した指導は作業前にも必ず行った。準備から後片付けまでを一連の学習として考え,繰り返し指導してきたために児童は用具を正しく使うことができるようになってきた。 |
エ |
生活に生かす工夫について
キットの商品は,便利であるが,布の模様が限定されてしまうことや,やや高い値段になることも知らせた。児童は,クッションの布地のみを買うなど,キットの商品を上手に利用していた。同じ大きさの布でも値段の違うものを意図的に用意したため,児童はキャラクターものや,やや厚めの布は値段が高いことに気付くことができた。
問題に出会ったときに学習を振り返る「学習カード」は学習意欲を高める上で役に立った。自由記述は,次の指導の目安になり,教具開発のヒントにもなった。児童の楽しみは, 一緒に学習した友達の励ましやほめ言葉であり,うれしそうにコメントを読んでいた。
「家庭科だより」や発表会により,家庭との連携を図ることができた。また,手作りの楽しさや便利さを実感し,家でも実践したいという意欲を高めることができた。
学習カードへの記入
|