2.ティーム・ティーチングの技術・スキルを生かす授業

 ティーム・ティーチングの技術・スキルをどのようにして日々の授業に生かすか。ここでは,ATの支援の技術・スキルという観点から,実際にティーム・ティーチングによって実施された授業を分析した。

<日常生活の指導(知的障害養護学校小学部第3学年)での指導例>

 この学級集団は,男子4人,女子1人の計5人で構成されている。第1校時の日常生活の指導は,着替え,係活動,ランニング,朝の会にあてられており,通常3人の教師によって指導されている。
 朝の会は,学校生活の始まりの場面でそれぞれの役割を果たし,楽しく自己表現する中で,1日の生活の見通しをもつための大切な学習の場であると捉えている。
 ここでは,C1の児童に対するT3の教師の支援を中心に分析した。

  1. 単元名 朝の会をしよう
  2. 本時の指導
    (1)  目標
     1日の活動の流れに,見通しを持つことができる。
     友達と役割を分担し,協力して活動することができる。
    (2)  C1の実態と個別の目標
    名前 児童の実態 個別の目標
    C1
    • 自閉的傾向がある。
    • 自発的に気持ちを言葉で表すことはできないが,教師の援助を受けて返事やあいさつをすることができる。
    • 教師と共に言葉で表現することを学習している。
    • あいさつや,返事ができ,落ち着いて最後まで話を聞くことができる。
    • 給食の献立を声に出して読んで,発表できる。
    (3)  ティーム・ティーチングの形態と指導分担
    T・Tの指導形態は,T型とU型を合わせた「単集団−複数教師」型である。
    3人の指導分担は以下の通りである。
    T1= 主に当番児童への進行の支援
    T2= 児童の反応により意欲誘導等を適宜支援
    T3= 主にC1への支援
    (4)  展開


    <授業の分析(ティーム・ティーチングの技術・スキルから)>







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