T | 気になる子どもとは | ||||||
最近,小・中学校においては,障害の多様化に伴い,様々な障害や問題を抱えている子どもが特殊学級や通級指導教室ばかりでなく,通常の学級に在籍して生活する姿が見られるようになってきています。 様々な障害や問題を抱えている子どもとは,知的な遅れのある子ども,多動な子ども,パニックを起こす子ども,こだわりが強い子ども,攻撃的な言動をとる子ども,友達とうまくかかわれない子ども,不安傾向の強い子ども,発作を起こす子ども,登校を渋る子どもなどです。 通常の学級でこのような子どもを指導する時は,特別な配慮の基に指導することが必要になります。つまり,その障害の特性や能力に応じて特別な内容や方法を準備することが必要になります。例えば,知的な遅れがある子どもは,教科書中心の学習では対応が困難であったり,新しい場面に適応しにくかったりします。このような子どもには,実際的な場面での具体的な指導が有効です。また,人とのかかわりがうまくできなかったり,学校生活などの集団生活に参加できなかったり,興味関心に偏りがあって学習に取り組めなかったりする子どもがいます。このような子どもには,個別指導や小集団による指導の場を設けること,学習環境を整えること及び情緒障害特殊学級などで子どもの興味関心に合わせた指導をすることが必要になります。 さらに,全体的な面での遅れはないにもかかわらず,ある特定の能力に遅れのある子どもがいます。このようなときは,子どもの観察の他に心理検査や医学的な所見などから全体像をとらえます。そして,子どもの特性を理解し,得意な分野を伸ばして不得意な分野をカバーしていくことが大切になります。 本報告書では,このような特別な配慮を要する子どものことを「気になる子ども」という表現にして,指導の手がかりをまとめました。 |
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