(12) | 国語科「古典T(古文)」(高校2年)での実践 | ||||||
生徒相互の信頼感を高め,協力的な学習を促すグループ学習の在り方 | |||||||
学習計画 | |||||||
@ | 単元 随筆『枕草子』 | ||||||
A | 単元について | ||||||
日本において新しい文学形態を開いた『枕草子』は,様々な形式,様々な話題で織りなされている。その中の幾つかの段を学習することで,『枕草子』の特色を,理解しようとした。「春は,あけぼの」の段では,清少納言の自然に対する美的鑑賞の態度を,とらえさせる。 | |||||||
B | 児童の実態(男子25人 女子14人 計39人) | ||||||
全員大学進学を希望し,ほとんどの生徒が理系の学部を望んでいる。古典に対して,苦手意識をもっている生徒が,やや多い。 | |||||||
C | 学習形態 | ||||||
一時間の授業の中で,二種類のグループを使った。一つは,ソシオメトリック・テストに基づいた男女混合の6,7人からなるグループである。単元内容を一斉授業で学習した後,このグループに分かれ,問題作成用ワークシートを使い,班別問題(資料1)を作成した。班長は,文法・内容読解・文学史等の小問を各班員に割り当て,班員は短時間で小問を考え,できた小問を全員で検討し,班別問題を作り上げた。もう一つは,二人一組の自由なグループである。基本的に,好意を持っている生徒同士で編成した。構成的グループ・エンカウンター本来のエクササイズをエクササイズTとして行うとともに,班別問題による課題解決学習をエクササイズUとして行った。 | |||||||
結果と考察 | |||||||
@ | 結果 | ||||||
本授業の前後の「振り返りアンケート」により,次のようなことが分かった。39人のクラスで,勉強が分からず不安を感じている生徒が,26人から半減し,不安を感じていない生徒が,4人から13人に増加した。また,授業で分からないところがあったとき,そのままにしてしまう生徒が,12人から8人にやや減少し,そのままにしない生徒が,10人から21人に倍増した。また,「教え合って勉強している」に対して「はい」と答えた生徒が,7人から17人に2倍以上増加し,「いいえ」と答えた生徒が,3人からいなくなった。以上のことから,今回のグループ学習は,生徒に協力性を促し,信頼感を高める効果がみられたといえよう。 | |||||||
A | 考察と課題―4種類のサポートの視点から― | ||||||
構成的グループ・エンカウンターと課題解決学習を結びつけたグループ学習によって,信頼感を高めさせたが,本授業では,教師の生徒への4つのサポートを積極的に行うことにより,教師と生徒,生徒と生徒との人間関係の深まりが生じ,それが協調性の促進と信頼感の高まりを生じさせたと考えられる。今後も4つのサポートを心掛けることで,信頼感を高め,協力的な学習のみられる授業を実践したい。 | |||||||
本時の学習 | |||||||
@ | 目標 | ||||||
・ | 本単元の「春は,あけぼの」に関する班別問題を確認し,二人一組で解答し合うことにより,読解力をつける。 | ||||||
・ | グループ学習によって,人間性に触れ,信頼感を高める。 | ||||||
A | 準備・資料 | ||||||
班別問題プリント,振り返りアンケート | |||||||
B | 展開 | ||||||
資料1 班別問題に答えた生徒の答案 | |||||||
資料2 生徒の感想 | |||||||
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