(4) | 保健体育科(小学校5年)での実践践 | ||||||
他者理解を深め良好な人間関係づくりを促進する授業 | |||||||
学習計画 | |||||||
@ | 単元 障害走 | ||||||
A | 単元について | ||||||
ハードルを用いて,リズミカルに越える技能を身に付け,距離等を定めて競走したり,自己の記録の伸びを目指したりする単元である。 | |||||||
B | 児童の実態(男子17人 女子10人 計27人) | ||||||
ハードルにぶつかって転んでしまわないかという不安感を持つ子,うまくできない,むずかしい,苦手などの意識を持っている子がみられた。(11人) | |||||||
C | 学習形態 | ||||||
・ | グループ学習,めあて@とめあてAでは構成員が替わる。 | ||||||
・ | 構成的エンカウンターグループ・エクササイズは,2人組で行う。 | ||||||
結果と考察 | |||||||
@ | 結果 | ||||||
陸上運動では,友達からの「遅いなあ」「早くしろよ」などという声は,心を傷つけられると同時にその運動を嫌いにさせ学習意欲を無くしてしまいかねない。その子はその子なりにがんばっていることを感じられる人間関係づくりをめざした。 よりよい人間関係をつくるためのゲームとして,学習のまとめに行ったエクササイズ「マッサージ」の子供たちの反応は,「気持ちよかった」と一様に評価し,「友達も苦労しているんだなあ」と感じた子や「体育のことの話ができてよかった」,「自分の練習で思ったことなどを気軽に言えた。友達の気持ちも聞けてよかった」など,信頼関係を高めることができたようにみえる。 授業後にマッサージを行って気づいたことや感じたことなどを書いたものをみると,「話す時,人に話をちゃんと聞いてもらうのはいいなあと思った」,「自分の話を黙って聞いてもらえて気持ちよかった」などの話す立場での感想と「友達がしゃべりかけてくれた」,「マッサージをされながら話を聞くと心が落ち着いて気持ちよかった」など聞く立場での感想の両面で好印象を与えていた。 |
|||||||
A | 考察と課題―4種類のサポートの視点から― | ||||||
道具的サポートとして,子供たちの実態から,チーム対抗戦でハードルを一番低く設定したり,グループ内でインターバルを工夫したりしたのは効果的で,誰もがリズミカルに楽しく競走できていた。 評価的サポートでは,部分的でもその子の良くなっているところをフィードバックすると練習態度が積極的になっていったように感じる。 ふりかえりアンケート結果を見ると,「級友に親しみを感じた」項目では,74%の子が肯定的に友達をかんじており,人間関係がより深まっている様子を感じた。 構成的エンカウンターグループ・エクササイズで深まっていく人間関係を,更に,継続的に授業に組み入れる研究を進めていきたい。 |
|||||||
本時の学習 | |||||||
@ | 目標 | ||||||
・ | グループで役割を決め,ベストを尽くして競走できる。 | ||||||
・ | 自己の課題を理解し,フォームを工夫して練習できる。 | ||||||
・ | 友達の個性や思いに気づき,他者理解を深める。 | ||||||
A | 準備・資料 | ||||||
学習カード,ハードル,筆記用具 | |||||||
B | 展開 | ||||||
[目次へ]