(1) | 体操領域だけの授業と他の領域との組み合わせによる体操の授業のどちらも,「体育に関する知識」の授業の単元計画を確立し,また,オリエンテーションで詳しく説明し,体力とは何か,体力の必要性,意義,体力つくりの計画の立て方などを理論的に指導したことにより,やらされている体操の授業から,自分の体力についての意識改革ができ,目的に応じて積極的に体力つくりに取り組めるようになった。 |
(2) | 体力についての理論からの理解と,目的に応じたいくつかの運動メニューを用意し,その資料を基に,授業の中でグループごとに運動メニューの作成方法を実践したり,目的に応じて生徒一人一人が選択したり,組み立てたり,実践することにより,意欲的になり,主体的に取り組むようになった。また,ハートレートモニターを利用して,心拍数を認識させることによって,はっきりとしためあてを持つようになった。 |
(3) | 運動メニューをグループで作成し,発表会を設けたことによって,楽しい授業になり,生徒の意欲も変わったが,時間がかかりすぎ,1時間内の運動量も少なく,各自の運動能力に適した,効果のあがる種目ばかりではなかった。 |
(4) | 教科外体育における体力つくりの実践では,学校として,トレーニングコースを設営しランニングタイムを一斉に実施することや運動部活動の指導者を対象に,体力つくりの研修会を実施することにより,正しい体力つくりの行い方を指導することができ,生徒,顧問ともに意識の改革が図れ,運動部の成績も上がり意欲的な変容がみられた。 |
(1) | 体力や運動能力の段階別による,系統的な体操の運動メニューや学年別の系統的な単元計画を改善する必要がある。 |
(2) | 体力向上の習慣化,生活化が図れるための,マンネリ化しないようなチャレンジカードやいつでもチャレンジできる体力コーナー等の場を工夫・改善する必要がある。 |
(3) | 生徒自ら,目的に合った体力つくりの行い方について創意・工夫が図れるための指導法を確立する必要がある。 |
(4) | 体育に関する知識の授業時間数については,指導書の中では3年間で,13時間程度確保する事になっているが,ほとんどの学校では実施していないのが現状である。今回,研究を実践した学校のなかでも1学年5時間実施できたことが最大である。体育に関する知識の授業の時間獲得が最大の課題である。 |
<主な参考文献> | ||
文部省 | 中学校保育指導資料 | |
文部時報 | 21世紀を展望した我が国の教育の在り方 | 第15期中央教育審議会一時答申 |
教育研修センター | 生徒の体力・運動能力に関する調査報告書 | 平成8年度 |
大木昭一郎他 | 保健体育 | 一橋出版 |
森 昭三他 | 新・中学校保健体育 | 学研 |
高松 薫 | 体力トレーニング論特講 | 講義資料 |
池上晴夫 | 運動処方 | 朝倉書店 |
松浦義行 | 体力の発達 | 朝倉書店 |
月刊 | 学校体育 1993・3 | 日本体育社 |
教育課程審議会 | 教育課程の基準の改善の基本方向について | 中間まとめ平成9年11月17日 |
保健体育審議会答申 | 生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育及びスポーツの振興の在り方について | 平成9年10月 |
月刊 | 学校体育 1994.10 | 日本体育社 |
高松 薫 | 特集 新しい教育課程への提言 体操のカリキュラムー生活化に結びつく 学習内容のあり方 学校体育 1997.10 |
日本体育社 |
茨城県教育庁 | 学校体育指導資料中学校編 | |
保健体育課 | 「体力つくりの実践その1,その2」 |
目次へ戻る