(1) | 体操領域だけの単元を設けている授業実践
|
|
ア | A校の例 | |
(ア) | はじめに 体操領域は,体力向上を直接のねらいとしているが,その限られた時間の中で体力を向上させることは難しい。そこで,体力を向上させることの必要性や,体力を向上させるときに必要な考え方や方法,体力を向上させるときの計画の立て方(運動プログラムの作成方法)を指導していくことが重要であると考えた。また,生涯にわたって健康・体力を保持・増進する必要性や考え方,方法について指導し,将来,自発的・自主的に運動に取り組む態度を育成することも重要であるととらえた。 本校では,上記のことを達成するためには,体操領域をまとめ取りし,集中して指導した方が効果的であると考え,第1学年から第3学年までの年間計画を変更した。また,第1学年で体操の基本的な考え方や行い方の学習,第2学年で基本をもとにした各自の運動プログラムの作成の学習,第3学年で体育学習以外の場での運動プログラム作成の学習というように系統的な指導を目指した。 |
|
(イ) | 第1学年の例 a 体育に関する知識学習指導案 |
|
(ウ) | 第2学年の例 a 体操単元計画
|
第2学年 体操学習の道筋と時間配分
◎ 評価目標
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||
(エ) | 第3学年の例 a 体操単元計画
|
第3学年 体操学習の道筋と時間配分
◎ 評価目標
|
|
<生徒の作成した運動プログラム 例> | |
<ハートレイトモニターによる心拍数測定結果> |
|
|
|||||||
(オ) | 長期休暇における家庭での体力つくり 体力の向上を図るためには,教科の授業,部活動のほかに家庭での運動を継続していくことも必要である。そこで夏休みの前に,簡単な運動に関する計画を立てさせ,それに従って実践するよう啓発した。 まず,事前に以下の資料をもとに体力を高める方法や各自の伸ばしたい体力を復習させることにより,長期休暇中になにをどのような方法で高めていきたいかを考えさせた。そして,それをもとに長期休暇中の運動計画(スケジュール)を立てさせた。 |
||||||
(カ) | まとめ 「はじめ」にも述べたように,体操領域は,体力向上を直接のねらいとしているが,その限られた時間の中で体力を向上させることは難しく,体力を向上させることの必要性や,体力を向上させるときに必要な考え方や方法を指導していくことが重要である。また,第1学年から第3学年まで系統的に進めていくことも重要であると考えた。 そこで本校では,第1学年で「体力を高める必要性や効果,体力を高めるための方法の基本的な考え方や行い方の学習」,第2学年で「自分の体力に応じて,運動を選び部活動や家庭で実践できる運動メニューを作成する学習」,第3学年で「1日,1週間,1年間,さらに家族の運動プログラムを作成する学習」という計画を立て実践した。その結果,同じように運動しても,その運動によってどのような体力が向上するのかということを意識できたり,自分の作ったプログラムをもとに家庭で運動する生徒が増えるなど少しずつではあるが効果が見られた。また,「生涯体育・スポーツ」の観点から,生涯にわたって運動を継続していく必要性を理解させることができた意味は大きいと思う。 しかし,このような体操の学習を深めていくためには,教師側でトレーニング方法に対する知識が必要であるだけでなく,生徒の提供する十分な資料が必要となる。また,生徒の意欲を継続させるために,体力を確かめることができる場や機会を増やしていくことも重要であると感じた。そこで以下のような課題をもって,さらに研修を深めていきたいと思う。
|
目次へ戻る