お わ り に

 2年間,児童生徒の創造性を育む問題解決的学習における支援の在り方について研究してきたが,創造性の追究は正に,新しい学力観で求められている自ら学び自ら考える力すなわち自己教育力を培い,現在の児童生徒に求められている「たくましく生きる力」の育成そのものに直結するものであると実感している。特に本教科では問題解決的学習における課題を形成したり,解決のための計画段階及び学習のまとめの段階に焦点をあてて研究を進めてきた。その結果,体験的学習の導入やコーナーの設置等の支援は,創造性を育むために有効であった。今後は,生活に生かす段階をどう支援していけば児童生徒の実践的態度が育まれ同時に創造性が深まるか追究していきたいと考える。
 授業研究での課題は,同じ教材・教具や体験的学習を取り入れた支援を行っても,各児童生徒の生活体験や感じ方によって創造性に関する成果は異なることである。その場合の個々への支援として教材・教具を提示するタイミングや質と量,考える時間的なゆとり等,できるだけ個の実態に応じた支援が必要であると思われる。個々の創造的資質を生かす支援の在り方についても追究したいと考える。また,創造的表現力としての技能・技術の習得を問題解決的学習のどの段階で支援していくことが適切なのかについても今後の課題として研究を進めていきたいと考えている。
<主なな参考文献>
 北海道上川教育研修センター 「創造性を伸ばす学習指導の研究」 平成9年度全教連大会資料


家庭及び技術・家庭目次に戻る