ア |
着想の段階
リズムづくりでは,さまざまなリズムパターンを実際に演奏したり,参考作品を鑑賞したりすることで,多くのアイデアを身に付けることができる。
(ア) |
即興的なリズムづくり
音楽づくりの第一歩として,即興的なリズムづくりを行うこととした。リズムまわしゲームは,リズムをその場で即興的に聴いたり,つくったりする力を育てることができる。(図2)
図2 即興的なリズムづくり
|
(イ) |
リズムの記録の工夫
授業の始めに毎回一人ずつリズムをつくり,その作品を手拍子やひざ・足,かけ声など,体を使った音でリズム打ちを全員で行うこととした。つくったリズムは黒板に掲示し,その記録を見ながら演奏することで,今後の活動での記譜の参考とする。 |
(ウ) |
学習カードの活用
学習カードを活用することで,生徒は自分たちの作品づくりのヒントに気付き,そのヒントを具体的に記述することによって,活動の見通しをもつことができる。 |
|
イ |
発想の段階
作品を発想する段階では,音探しをする中で,音そのものの質に着目することが先行する場合と,漠然としたイメージに着目することが先行する場合との二つがある。
(ア) |
音素材への着目
身の回りにはいろいろな音があり,音そのものに興味をもつことで,楽器以外からも音探しをしながら,多様な音を組み合わせたリズムづくりが可能なことに気付くことができる。(図3)
図3 音を探す
|
(イ) |
漠然としたイメージへの着目
音探しをすると,音のもつ性格(明るるさや暗さ)や特徴(生徒がこれまでに体験した音に似た音)などの,ある漠然としたイメージが湧いてくる。そのイメージに向かって,音楽的に音を組み合わせていくことで,ある種の方向性をもつ音楽づくりをすることができる。しかし,イメージを探究しすぎると,いかに本物の音に近づけるか,という効果音づくりに陥りやすいので,パターン化された音などの活用等で音楽的な表現に近づける工夫を適切に助言していく必要がある。 |
|
ウ |
構想の段階
リズムのアイデアを互いに発表する中間発表会が構想の段階に位置付けられる。発表し合う中からリズムづくりのヒントを見付けたり,実際に演奏したりすることで,自分たちの作品がよりよいものになることに気付くことができる。この段階では,自分たちのアイデアがどの程度聴き手に伝わるかを,友人の感想から考えるように教師が助言し,別な観点から作品を見つめられるようにしたい。 |
エ |
計画の段階
曲の構成をまとめることで,作品に対するイメージのまとまりや,統一感を意識したリズムづくりに入ることができる。自分たちの作品の構成を考えることで,強弱・テンポ等の曲想を工夫して演奏することが,ここではじめて可能となる。中間発表で録画したものを客観的に鑑賞し,友人の感想を参考にすることができる有意義な機会である。 |
オ |
表現の段階
これまでの段階を着実に取り組むことで,より深い表現活動を導くことができる。次に,できた作品を自ら振り返り,自己評価をしていく表現の段階である。ここでの教師側の評価は,作品の出来ではなく,次のような点に着目して評価することが,ポイントとなる。
(ア) |
意図したものが表現されているか。 |
(表現力・集中力) |
(イ) |
独創的・個性的な表現はみられるか。 |
(創 造 力) |
(ウ) |
聴く側も表現する側も作品のよさを認めることができるか。 |
(構成力・評価力) |
(エ) |
次の活動への意欲が高まっているか。 |
(持続力・知的好奇心) |
|