5.研究の成果

 創造性に関する実態調査の結果と各研究協力員の所属校での授業研究の成果は,以下の通りである。
(1) 創造性に関する実態調査の結果
 教師は,新しい価値あるものを創り出す自己実現の中で,児童生徒の創造性を育てる必要があると考えている。
 教師は,児童生徒の創造性を育てるために体験を重視した問題解決活動を展開することや創造性を育む意識・態度をもつことが重要であると考えている。
 教師は,児童生徒の創造性を育てるために一連の問題解決活動において,課題や問題を児童生徒自ら見つけること,予想や仮説を立てること及び実験方法を児童生徒自ら考えることが特に重要であると考えている。
 児童生徒は,観察・実験に興味があり,予想を立てて観察・実験に進んで参加しているが,自分で調べたいことを見つけたり,実験方法を考えたり,結果について話し合ったり,考察することなどについて,十分な活動を行っているとはいえない。
(2)  授業研究の成果
 小学校の授業研究では,児童の発想を生かした多様な方法で観察・実験を行うことによって,児童は創意工夫して問題解決に取り組むことができた。
 中学校では,生徒の話合い活動を工夫することで,思考を深め,発想を生かした授業を展開することができた。
 高等学校物理では,グループで発表の方法・内容を工夫したり,お互いの発表を見合うようにすることで,創意工夫しながら自分たちの発想がもてたり,他のグループのとらえ方を認めたり,自分たちのとらえ方を修正したりすることができた。
 高等学校化学では,学習形態を工夫し,情報交換の場を設定することで,生徒の発想や論理的思考を引き出すことができた。
 高等学校生物では,生徒の思考過程を重視した観察・実験を行うことによって,生徒にとって新しい価値あるものを創り出すことができた。
 高等学校地学では,生徒の創意や工夫が生かせるような教材の開発及び指導方法を工夫することで,自らの発想を生かして主体的に授業に取り組むことができた。

理科目次に戻る