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授業研究のねらい
生徒が創造的に観察・実験に取り組むためには,一連の問題解決活動の中で,意欲的にさまざまな発想をしたり,その発想を生かして調べたり,また,友達と考えを出し合い深め合ったりすることが大切だと考える。
今までの学習の中で,観察・実験の機会を多く与え,問題を解決していくよう支援してきた。しかし,十分な話合いの場がもてず,生徒が疑問に思ったことを出し合って問題を明確化したり,調べたことから自分の考えを出し合ったりすることが少なかった。それは,観察・実験の時間を十分に確保することで,生徒一人一人の発想を引き出し,観察・実験に取り組めるようになる反面,話合いをする時間があまりもてず,考えを深め合うことができなかった。そこで生徒の発想を生かし,さらにお互いの考えを出し合うことによって創造的に思考する能力や態度を身に付けられるような授業展開を工夫することが大切だと考える。
今回の授業では,いろいろな光の現象に親しみながら,光の性質について興味や疑問がもてるように授業展開を工夫し,さらに観察・実験のねらいをつかませることで,問題を明確化する。そして,得られた情報の処理や結果の考察ができるように,話合いの活動の場の設定やワ−クシ−ト等の効果的な活用により,思考を深めることができるようにしたい。 |
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創造的に取り組むようにするための手だて
ア |
生徒の発想を生かした観察・実験
光の現象は日常生活とのかかわりが極めて深いものでありながら,演示実験で終わってしまうことが多い。生徒一人一人が実験の方法を考えたり装置を組み立てたりして,各自の発想を生かした実験を計画できるように支援し,「自分の考えた実験」という意識をもつことにをよって話合いの活性化を図る手だてとしたい。 |
イ |
話合いの場の工夫
自分の考えを明確にすることは,話合い活動の活性化につながる。さらに,友達の考えを知り,比較したり,体系化することによって考えを深めるこができると考える。そこで,話合いの場を活発にする次のような手だてを考え,実践することにする。
(ア) |
実験中の話合いの場の確保
この単元の学習では,光を観察するため教室を暗くしてしまうので,話合いや記録が十分にできないことが多い。準備室(又は空き教室)をミーティングルームとして活用することにした。これは,実験中でも話合いの場所を確保することによって話合いの雰囲気作りをするとともに,資料を掲示して友達の考えと比較したり,考えをまとめたりすることで実験中に考えを深められるようにしたい。
図1 理科室とミ−ティングル−ムの配置
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(イ) |
TPシ−トの活用
結果の共通点や相違点が全員に分かるように,他の班のTPシ−トを重ね合わせてお互いの考えを発表することで,自分の考えを明確にし,気付き,修正することができると考える。 |
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ウ |
多様なワ−クシ−トの活用
ワークシートを効率的に活用し,光の現象を観察し,疑問に感じたことを出し合い,調べたいことを整理して,学習計画を生徒自身が立てていくようにする。そして,学習課題を解決していくための実験方法や操作順序も,生徒の発想を生かしながら進められるようにする。また,ワ−クシ−トを互いに見ることで,考えを修正することができるようにする。
そのためには,ミーティングルームに計画表・実験結果を掲示し,他の友達の実験の様子を比較できるようにする。 |
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授業の実践
ア |
単元 光の性質 |
イ |
学習計画(8時間扱い)
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ウ |
本時の活動
(ア) |
目標 |
実験結果をもとに話し合うことを通して,入射角と屈折角についての規則性を見いだすことができる。 |
(イ) |
展開 |
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(4) |
授業の結果と考察
ア |
生徒の発想を生かした観察・実験
目的別に班を編成し,実験計画を立てて実験を行った。実験を計画する段階では他の班の実験方法を参考にしたり,教科書や資料を参考にしたりして発想を出し合って計画を立てることができた。表1は3つ班の活動の様子をまとめたものである。屈折を観察するためにガラスや水,食塩水,砂糖水など,身の回りにある材料を利用して実験するよう計画を立てられた。また,記録の仕方もTPシートに直接光の道筋を記録する班やピンで印をつけて記録する班など,工夫して実験計画が立てられた。実験の材料もできるだけ自分たちで用意するようにした。自分たちで実験を計画したため,実験方法を一人一人の生徒がよく理解しており,実験の準備がスムーズにできた。また,実験の途中で方法を変えたり,さらに結果が分かりやすくなるよう工夫するなど話合いが行われていた。 |
表1 生徒の実験計画と実際の活動 |
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