は じ め に

 これからの変化の激しい先行き不透明な社会において,児童生徒に必要となるのは,自ら考え判断し行動できる資質や能力であり,これらの資質や能力を育成するには,児童生徒の個性を生かし,体験的な学習や問題解決的な学習に取り組むようにすることが重要である。
 理科の学習では,児童生徒が自らのよさや可能性を生かしながら,自然の事物・現象にかかわり,問題を見つけ,解決していくように展開していくことが大切である。理科の学習における観察,実験は,そうした問題解決の過程として位置付けられるものであり,問題に対する予想を検証したり,新たな気付きや発見がもてる場である。観察・実験を行う際,提示された問題を提示された方法で解決するだけの受動的な活動にとどまるならば,新たな対象にかかわるときに生きて働く資質や能力の育成につなげていくことは困難であろう。創造的な資質や能力は,児童生徒が自発的に問題を解決し探究する問題解決活動や体験的な学習活動の中から育成されると考える。
 そこで,本研究では,創造的な資質や能力を培うための観察・実験の指導の在り方について研究し,各学校における学習指導の改善・充実に役立てることができるように,研究主題「観察・実験に創造的に取り組む理科学習の指導の在り方」を設定した。


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