2.研究の内容

(1)

研究主題についての基本的な考え方

 研究主題と学習指導要領との関係
 研究主題と学習指導要領との関係についてみると,小学校,中学校及び高等学校の指導書では,数学的な見方や考え方は,学習する過程で養われ,そのよさを知ることによって,一層数学を活用する態度が育つものと述べられている。さらに,数学的な見方や考え方,数学を活用する態度は,それ自体が個性的なものであり,一人一人の児童生徒の受け止め方や身に付き方も違うと指摘し,このような能力や態度を育てるためには,個性を生かす教育が必要であると述べられている。
 したがって,児童生徒の豊かな感性〔児童生徒が本来もっている直感的・想像的な見方や考え方〔驚きや疑問〕を生かして価値あるものに気付く感覚〔知的探求〕〕を大切にし,一人一人の児童生徒の個性を生かす学習を組み立てることが重要であると考えられる。感性を生かすことができれば,算数・数学科の特質である「考える楽しさや数学的な見方や考え方のよさ」を味わうことができるようになり,関心や意欲が増して,子供主体の学習へと発展できるだろうと考えた。
 研究主題に迫るための手だて
(ア)  児童生徒が本来もっている直感的・想像的な見方や考え方を生かす場の設定
 児童生徒の五感が働く場(直接的な体験活動や操作的な活動を取り入れた場)を学習指導の中に設定する。
 直接的な経験のできない場合は,間接的な体験や経験(コンピュータなど)によって思考する場を設定する。
 児童生徒の多様な考えやイメージが持てるような場を設定する。
(イ)  児童生徒の個性を生かし,考える楽しさに触れ,数学的な見方や考え方を身に付ける学習過程
 事物や事象との出会いの中から自分の問題を発見し,自分の思いや願いを生かしながら問題を解決していく学習過程を構成する。
 児童生徒のつぶやきやうなずきなどの反応を,児童生徒の視点に立ってとらえられるように学習過程を構成する。
 児童生徒の考えたことや感じたことを表現する学習過程を構成する。
 自分の描いたイメージや考えを児童生徒同士互いに交換することによって,自分の考えやイメージを問い直し,練り上げる学習過程を構成する。

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