ねらい |
信頼するということは,すべての人間関係において理想的な関係とされる。人が人を信頼するということはどういうことなのか,信頼するということを理屈ではなく,体を通して心身の状態を体験してみるエクササイズである。
ここでは,信頼するということは,その人に「一切をまかせる」「すべてをゆだねる」ということであり,自分は何もしないということを感じさせる。 |
時 間 |
ロング・ホームルーム(50分) |
準 備 |
ラジオカセット,幽玄な音楽(バッハ:G線上のアリア等),目隠し用手拭 |
進め方 |
@ |
7,8人ずつのグループに分かれ,各グループが立ったまま,小さなきれいなサークル(円)を作る。1人の人が真ん中に入り,目隠しまたは目をつぶる。 |
A |
真後ろの人の合図で,真ん中の人は体を棒のように固くして後ろに倒れる。真後ろの人は,その人の肩甲骨のあたりを手で支え隣の人に送る。 |
B |
「目隠し」の人が20度くらいの角度で後ろに倒れたまま,みんなに支えられて一周する。一回まわったら逆回りでもう一回。 |
C |
次々と交代して全員が中に入るようにする。 |
|
留意事項 |
- 人をクルクル回す遊びといった雰囲気にならないように注意する。
- ゆっくり,丁寧に回すようにする。
- 回される人は,体を電柱のように硬直させて,片方のカカトを軸に回転させるようにする。
- 幽玄な音楽をBGMに使うと,厳かな儀式といった雰囲気になる。
|
子どもの反応 |
- 人に体を預けるのはとても難しかった。
- 自分は体重が重いから,みんなに悪いなあってずっと思っていた。
- みんなが自分をとても優しく一生懸命回してくれていて,すごくうれしかった。
- なにか不思議な気持ちになった。
|
成 果 |
- 目隠しの人に少しでも不安があれば,後ろに倒れられなくて必ず足が動いてしまう。初めは怖くて後ろに倒れられなかった者も,周りを信頼し,後ろに倒れることができるようになった。
|