ねらい |
すべての人間関係というものは,ある人と他の人が「向かい合う」ということである。それぞれの人が,人とどのように向かい合うかということによって,いろいろ複雑な人間関係の問題も生じてくる。人との向かい合い方の中で,一つの重要な視点は人と向かい合う角度である。この角度によって同じ人が違って見えてきたりもする。
ここでは,白常の人間関係においては,斜に構えずにもっとまっすぐに相手と向かい合うことが必要であると考えて,できるだけ相手の真っ正面に向かい合ってみる体験をする。 |
時 間 |
ロング・ホームルームなど |
準 備 |
特になし |
進め方 |
@ |
2人ずつペア(Dyad)になり,向かい合って座る。 |
A |
指示―「向かい合ったまま座って目を閉じて下さい。これからお互いに相手の写真を撮ります。自分のアタマをカメラに見立てて下さい。目はシャッターです。‥‥私の合図によって,シャッターを開いたり,閉じたりして下さい。‥‥開いて(数秒間)‥‥閉じて(間)‥‥今写したものを,頭の中で現像してみましょう。よく撮れていますか(30秒から1分ぐらい)。」 このようにしてリーダーは,3回シャッターを開かせるが,開いている時間を段々に長くしていく。 |
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留意事項 |
- 向かい合ったまま相手の目を見続けることは,精神的にかなり苦しいものがあり,最初のときには,照れかくしの笑い声が起こったり,中には見続けていることがつらくなって下を向いたりしてしまう人も出てくる。そういった時には「照れないで,相手の人をよく見て下さい。そしてその人の特徴をできるだけ捕えて,もっとはっきりとした相手のイメージが浮かぶようにして下さい。」と指示する。
- 2回目,3回目と徐々に慣れてくるにつれて,笑い声も少なくなり,我慢できないという人もなくなってくるので,少しずつ時間を長くしていくようにする。
- 「開いて。」と3回指示するが,その間隔はあまり短くない方が良い。
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子どもの反応 |
- 最初は気恥ずかしかったが,馴れるとみんな優しい目をしていて,その人に吸い込まれそうな気がした。
- 初めの気恥ずかしさは,今まで自分が人と向かい合う時には,斜に構えていたことを象徴していたように思えた。
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成 果 |
- 初めは恥ずかしくて,相手をしっかり見られないため,はっきりとしたイメージを浮かべることができなかったが,落ち着いてくるにつれてできるようになってきた。
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