1 よりよい出会いを作る   中学生向け

何でもバスケット


ねらい  中学生になると,特定のグループ内での交流が多くなる傾向がある。そこで,楽しい雰囲気の中で,自然に交わる機会を多く体験させ,幅広い人間関係作りをめざしたい。
時 間 昼休みや短学活など(約20分)
準 備 いす(生徒数+リーダー分)

進め方 留意事項
  1. 何でもバスケットの説明をする。
    • いすを一重円に並べて座る。
    • 最初の鬼はリーダーがなる。
    • リーダーの示す条件に当てはまる人は,移動して座る。
    • 座れなかった人が,次の鬼になって繰り返す。
  • フルーツバスケットを経験している子どもが多いので,その変形のゲームであることを伝えた方がわかりやすい。
  • 楽しい雰囲気作りのため,自然に交わる体験をするためのゲームであることを必ず伝える。
  1. ルールの確認をする。

    • 移動した人は同じ場所には座れない。
    • 移動場所は隣ではいけない。
    • 条件に当てはまらないのに移動していけない。

      以上に違反した人は鬼となる。
  • 楽しく,自然な交わりを期待するためにもルールはきちんと説明しておく。
  • ルールについては子どもたちと話し合って楽しい雰囲気と自然に交わるねらいに即したアイディアが出るようにしたい。
  1. リーダーのいすを一つ抜き,リーダーから条件を一つ出して,ゲームを始める。

    条件の例
    • くつ下をはいている人
    • メガネをかけている人
    • ハンカチを持っている人
               など
  • なるべく多くの子どもたちが当てはまる条件,意外な条件を考えさせる。
  • 機敏に行動させることが大事なので,鬼になった子どもには大きな声で次々に条件を出すようにさせる。どうしても条件が浮かばない場合は「何でもバスケット」の声で全員が動くことを伝えておく。
  • リーダーは全体の動きを観察し,ルール違反をする子どもには1回だけ注意する。また適した条件をいった鬼を賞賛したり,戸惑っている鬼に助言したり,ゲーム途中でのつぶやきや会話を聞いたりしておく。特に,隣をえり好みする子どもや避けられる子どもを見逃さないようにする。
  1. 一ついすを追加して鬼を座らせ,感想を発表し合う。
  • 鬼になった感想や異性の間に入った時などの気持ちが率直に出せるようにリードし,表出した気持ちを受け入れる。

子どもの反応
  • とても楽しかった。
  • よく条件を聞いていないと鬼になるから,その緊張感が何とも言えなかった。
  • いすの空いているところをさがすだけで精一杯だった。
  • 鬼になりたくないので一生懸命だった。気が付いたら,男子の隣にいて恥ずかしかった。
  • 久々に男女が仲良くできたと思う。
  • 他の人の足を踏んだり蹴ったりしてしまったが,「ごめん」が自然に出て,相手も別に気にしていないようでよかった。
  • やはり鬼になりたくないので夢中でやってしまった。
  • 小学校以来だったのでとても懐かしく思った。
  • みんながクラスに溶け込んでいるようですごくいい雰囲気だった。
  • こんな簡単なゲームだが,いつの間にか夢中でやってしまった。
  • 自然に好きな子の脇に座れたので,もう一回やりたい。
  • 3回も鬼になってしまって,条件は前もって考えておかなくちゃと思った。
  • わざと鬼になって,条件を出すのがおもしろかった。
  • たくさん動かなくてはならなかったので疲れた。
成 果
  • 始めは特定の席を避ける傾向があったが,エクササイズが進むにつれて自然に交わることができるようになり,終了時には,多くの子供の表情に互いに夢中でできた満足感が表れていた。
  • 活動場所が狭く身体の接触が必ずあるので,気にしないで触れ合うには絶好のゲームである。特に,孤立傾向の子どもにとってみんなの中に入る良い機会となった。
  • 短時間で,どこでも行えるエクササイズであり,楽しい雰囲気作りにも適しているので,長時間のエクササイズのウォーミングアップとして使用できる。

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