| ねらい | 
  
 エクササイズでいろいろな出会い方・接し方を体験させることにより、人とのかかわり方に気付かせ,子どもたちが対人関係を向上させる契機としたい。
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  | 時 間 | 
  学級活動(50分),道徳の時間  | 
  | 準 備 | 
  フィードバック表
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  | 進め方 | 
  
     
       - 学級全員がA,B二つのグループに分かれ,男女が交互になるように教室の両側にならぶ。人数は同数でなくてもかまわない。
 
       - A,B二つのグループから,順に一人ずつが中心に向かって対角線上を歩き,中央で出会う。その時に次のaからeのようなさまざまな出会い方をやってみる。
         
           - 通り過ぎる。
 
           - 避けて通る。
 
           - 下を向いて通る。
 
           - 日を見合わせて通る。
 
           - 握手をして通る。
 
          
        
       - フィードバック表に感想をまとめる。
 
       - それぞれの通り方の時に気付いたことや感じたことを話し合う。
 
      
  
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  | 留意事項 | 
  
     
       - あらかじめ朝の会や帰りの会,道徳の授業などで,友達との接し方について,子どもの関心を高めておくとよい。生徒会によるあいさつ運動が行われている時などに実施するとより効果的である。
 
       - 中央ですれ違う時に,しゃべったりふざけたりしてお互いの気付きを妨げないように注意する。
 
       - 列が乱れやすいので,スタート位置をはっきりさせ,きちんと並んで行われるように注意する。
 
       - このエクササイズでは,その子の日常の人との出会い方や接し方がよく現われるから,教師はよく観察してフィードバックするようにしたい。
 
       - 内向的で恥ずかしそうにして進んで参加しない子どもについては,勇気を出して積極的に参加するように勤ましたい。
 
       - ふざける子どもについては,なぜふざけてしまうのかを振り返らせるようにする。
 
      
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  | 子どもの反応 | 
  
     
       - 最初,何の目的でこんなつまらないことをやるのだろうと思ったけれど,それが自分を振り返ることだと分かってなんとなくやる気が出てきた。
 
       - けっこうみんなと親しめた気分になり,前よりずっとよくなったような気がする。
 
       - エクササイズをやった後,何だかとても明るい気持ちになっていた。
 
       - ただ通り過ぎる…これは普通に感じただけだ。避けて通る…何だか私って嫌われているのかなと思った。そして,何で避けて通るのだろうと感じた。下を向いて通る…いやな感じだ。目を見合わせて通る…ちょっと照れてしまう。握手をして通る…相手の気持ちがよく分かった。
 
       - 避けて適った時,これが現実ではないことが分かっていたが,いやな感じがした。
 
       - 目を見合わせて通ると握手をして通るが,とても恥ずかしかった。けれど,全部やってみるととても楽しかった。
 
       - 他の人と握手をして,人の手の大きさや強さが分かった。他人のことが少し分かったような気がする。
 
       - 少人数の人としか触れ合えなかったけれど,今後はもっと多くの人と行ってみたいと思う。
 
       - このエクササイズは,他の人たちのを見ていて明るい気持ちになった。
 
       - エクササイズをすると,前よりもっと仲のいいクラスになったような気がする。前から「このクラスでよかった。」と思っていたけれど,もっとそう思うようになった。
 
       - やっていて男女の区別がなくなって,心がまとまったし,こういうのはまたやってほしいと思う。
 
       - このようなことをクラスのみんなでやるのは初めてで,「いやだ。」と思っていたけれど,クラスの友達の知らなかったところが分かってよかったと思う。
 
       - 私の振り返り表は,事後の方が素直に書けた気がした。
 
      
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  | 成 果 | 
  
     
       - 人との出会い方では,「目を見合わせて通ると,握手をして通るがとても恥ずかしかった。」とか「女性と握手するからすごく恥ずかしかった。」というような感想が多かった。
 
       - また,「男子でやるのと女子でやるのとでは違かった。」という声も聞かれた。このような子どもに対して,勇気を出して積極的に参加するように励ましたり,よく観察してフィードバックする必要があろう。
 
       - 恥ずかしかったという声が多かったが,「でも楽しかった。またやってみたい。」とか「いい体験になった。」という声も同じ子どもから出ているので,友達とのかかわりを振り返るよい横会になったようである。
 
       - 「前は『いやだ』『恥ずかしい』と思っていたけれど,今回は『当たり前のことなんだな』と思えるようになった。少人数の人としか触れ合えなかったけど,今後はもっと多くの人と行ってみたい。」とか「楽しかった。またやってみたい。」「違うエクササイズをやってみたい。」という声もあった。
 
      
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