ねらい |
多くの人と恥ずかしがらずに触れ合い,親しくなることを,自由歩行や偶然の出会いなどの体験を通して感じ取らせる。 |
時 間 |
学級活動(25分) |
準 備 |
ラジオカセット,軽快な音楽の入ったテープ・CDなど |
進め方 |
- 音楽に合わせ,教室を自由に歩き回る。音楽を止め,歩いているときの気持ちを発表する。
- 2人組3人組の説明を聞く。
- リーダーが音楽を止め,人数を指示する。指示された人数の組を作り,素早くその
場に座る。
- 2人組,3人組,4人組と人数を増やす。
- 『早いもの勝ち』の説明を開く。
- 2人組を作る。
- お互いが向かい合い,左手で握手する。右手でジャンケンし,勝ったものは右手で
相手の左手の甲をたたく,負けたものは右手で自分の左手をカバーする。
- 勝ったもの,負けたものの感想を発表する。
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留意事項 |
- 楽しい雰囲気で歩かせる。
- スキップしたり,大股で歩いている生徒を紹介し,そのときの気持ちがどうだったか、感想を聞く。
- 仲良しグループでいつも行動しないように指示する。
- 『2人組3人組』では,男女関係なく,誰とでも素早く組むよう指示する。
- 『早いもの勝ち』では,遠慮なく,素早く行うよう指示する。
- どちらが早く10回たたくかなど.目標を与え,熱中させる。
- 演習後の感想発表では,フィードバックに対して一切評価せず,どんな内容であっても大切に受容する。
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子どもの反応 |
(『歩行者天国』の感想から)
- すこし照れ臭かったけど,やっているうちに熱中した。
- スキップしたり大股で歩いている人もいて、すごいと思った。
- 最初は仲のよい友達と一緒に歩いていたけど,だんだんだれでも平気になってきた。
(『2人組3人組』の感想から)
- 隣にいる人の手を引っ張って,強引に座ってしまった。
- 好きな人とばかり組んでいる人がいた。
- 早く座らなければならなかったので,男女関係なくグループを組んだ。先生がそれを紹介してくれたので,うれしかった。
- おもしろかった。人数が増えるとグループ作りが大変だけれども,興奮する。
(『早いもの勝ち』の感想から)
- どうしてもたたくよりかばうほうに手が動いてしまう。簡単だと思っていたけど,結構難しい。
- 10回勝負なので何がなんだか分からなくなってしまって,夢中になってしまった。
- 思い切りたたくので手が赤くなってしまった。負けずにたたこうとしたが.ブロックされてしまったので,とても悔しかった。
- 組んだ相手が女子なので,思い切りたたくことができなかった。
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成 果 |
- どこでも簡単にできるので,いろいろな機会に活用できるエクササイズである。特に、各エクササイズの前のウォーミングアップやグルーピングに適している。
- 最初は仲良しグループの組があったので,男女で組んでいるグループを意識的に紹介し,男女関係なく組むように指示したところ,自由に歩行する雰囲気が見られるようになった。このことにより,仲良しグループの解体、偶然的な仲間との出会いが自然に体験できた。
- テンポのよいエクササイズの組み合わせにより,普段の授業の中では見られないような生き生きした表情が見られた。人目を気にせず自由に活動できた満足感や充実感が一人一人の子どもの表情に表れていた。
- 友達が少ない子どもは,常に組む相手を探しながら歩いている様子が見られたが、活動場所が狭い所で必ず身体接触があるエクササイズであるため,次第に打ち解け、だれとでも気がねなくグルーピングができるようになった。特に,人数が多くなるなど,相手に関係なく自由にグループを作る雰囲気が感じられた。
- 『早い者勝ち』は,熱中して取り組むという点では大変効果的であり,はとんどの子どもが,「楽しかった。」「またやりたい。」と感想を述べていた。遊び感覚の強いエクササイズであるが,握手したときの気持ちや感想を述べさせることによって,目的のあるものであることを知らせることができると思われる。
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