(1) | 題材について 第3学年選択教科としての技術・家庭科(技術)では,「エレクトロニクスコース」を開設している。「エレクトロニクスコース」では,第2学年で学習した電気領域での内容を踏まえて,生徒の特性等に応じて多様な学習活動が展開できるように,電子機器の製作を中心に指導を行っている。 選択教科としての学習活動では,回路の設計,部品収集さらに製作までの一連の活動を生徒が主体的に行うことが考えられるが,どの程度の規模の回路を製作するか,予想した性能が実現できるか,確実に部品が集められるか,予定した時数の範囲で完成するかなど,考慮すべき要素がきわめて多岐にわたってしまい,授業を構想するのが著しく困難になることが懸念される。そこでこれまでは,生徒の能力・適性,興味・関心を考慮に入れて,市販されているキットの中から学習効果の高いものを選び,製作を通して電気機器の仕組みや働きを効果的に体験できるように配慮してきた。 一方,第3学年技術・家庭科(必修)の情報基礎領域では,コンピュータの操作等を通して,その役割と機能について学習している。生徒は,コンピュータ等のさまざまな情報機器に囲まれて生活しており,それらとの関わりから「コンピュータはいろいろなことができる。」という漠然とした知識は持っているが,具体的な利用分野をあげさせるとワープロやゲームとしか答えられず,マスメディア等から得られるだけの断片的で狭い範囲の利用例しか思い浮かばない結果となっている。家庭生活や社会生活の中で,それとは知らずに使っている機器の中に,さまざまなコンピュータが組み込まれていることを機会あるごとに知らせるように一心掛けてはいるが,座学的な指導では具体性に乏しいせいか,十分に理解させられないのが現状である。 コンピュータの利用分野については,事務処理分野,制御分野,通信分野などがあり,それぞれ実習等を通して,機器に接しながら具体的に学習することが大切である。このうち事務処理分野については,ワープロ,データベース,表計算,図形処理に関するアプリケーションソフトウェアの利用実習を通して,コンピュータの基本操作能力や情報活用能力を身に付けたり,有効な利用分野を知ることができる。制御分野については,インタフェースを介してコンピュータでいろいろな機器を制御しながら学習活動を進めると,コンピュータシステムの構成と機能,プログラムの機能などについて,よりよく理解することが可能となる。 コンピュータ制御を取り扱う領域は,ともすると情報基礎領域であると考えられてしまいがちである。コンピュータ等の情報手段を扱う場面を情報基礎領域だけに限定してしまうことは,コンピュータに対する総合的な見方を育てるという視点からすると,好ましいこととはいえない。そこで,ここでは,あえて電気領域においてコンピュータ制御を取り上げ,制御端末としてLED(発光ダイオード)による簡単な電気回路を生徒が製作するとともに,インタフェースを介したパソコン制御の実習行うことにより,電気領域と情報基礎領域が相互に有機的関連をもって,総合的に学習活動が展開できるようにする。 |
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(2) | 総括目標 LEDによる簡単な電気回路を製作し,BASIC言語で制御する活動を通して,プログラムの機能を理解し,基本的な情報処理の手順や方法を身に付けるとともに,制御するプログラムの作成を行うことができる。また,これらの活動を通して,コンピュータの利用分野としてコンピュータ制御があることを知る。 |
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(3) | 具体的目標
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(4) | 指導計画(5時間取り扱い)
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(5) | 授業の実際<4/5時>
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