(1) | 題材について 急激に進展する情報化社会の中で,その担い手ともいえるコンピュータは,あらゆる分野において活用されている。各家庭においても,さまざまな種類のコンピュータが日常的に使われるようになっている。たとえば,電気製品等に内蔵されているマイコン,文書作成用のワープロ,事務処理等に使えるパソコンなどがあげられる。これからの社会を主体的に生きていくためには,これらのコンピュータを有効に活用して,情報を適切に処理する能力が必要となってきている。 こうした社会の情報化に対応するため,情報基礎領域では,コンピュータの社会的な役割,基本的な装置やソフトウェアの機能について理解させ,家庭生活や社会生活において,情報を適切に活用する基礎的な能力を養うことを大きなねらいとしている。なかでも,プログラム作成はコンピュータを活用するための基本の一つであり,その必要性を生徒に認識させることは非常に大切なことである。また,プログラム作成は,情報活用能力を高めるための格好の場ともなり得る。 プログラムを作成する言語としてのBASICは,はじめてコンピュータを操作する生徒にとっても,理解が容易であり,プログラムを作成しやすいという特徴をもっている。また,いくつかの命令をいろいろに組み合わせて工夫すると,自己の目的に沿った動作を行わせることができる。このように,BASICを使ったプログラムの作成実習を通して,コンピュータ操作を論理的に手順化する能力の育成を図ることができる。 アンケート調査によると,コンピュータを持っている生徒は12%であるが,授業以外でコンピュータを使ったことがある生徒は46%に達している。コンピュータの用途については,ワープロ,計算,ゲームに使われていると答えた生徒が多く,いろいろな機器の制御に対して有効に活用されていることを知っている生徒はいなかった。 一方,生徒のほとんどは,コンピュータを使った授業を楽しいと感じており,高い興味・関心を示しているものの,BASICを使ったことのある生徒は1人に過ぎず,ほとんどの生徒はプログラミングの経験をもっていないことがわかった。 この題材では,制御の対象としては電子ルーレットを取り上げ,BASICを使ってLEDで構成した電子ルーレットを制御する活動を通して,プログラムの機能を理解させるとともに,情報を処理していく手順や方法を身に付けさせることを目的とする。 授業を構想するに当たっては,課題に直面したときにどのように解決していくかの手順を,生徒各自が進んで考えられるように教材を工夫する。また,生徒の能力に応じて,繰り返しや判定などの高度な命令語を使って,プログラムの簡略化ができるように配慮する。さらに,教師側で準備するいくつかのサンプルプログラムには,わかりやすく説明したコメント文を随所に書き入れて,プログラム中の各行の命令文がどういう意味をもっているのかが一目でわかるようにする。 |
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(2) | 総括目標 LEDで構成した電子ルーレットをBASICで制御する活動を通して,プログラムの機能を理解し,基本的な情報処理の手順や方法を身に付けるとともに,制御するプログラムの作成を行うことができる。 |
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(3) | 具体的目標
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(4) | 指導計画(15時間取り扱い)
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(5) | 授業の実際(第二次)<5/5時>
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