第3節 情報活用能力を育成する技術・家庭科の学習指導とその評価

1 学習指導における評価の観点

 学習指導要領において,技術・家庭科の目標は次のとおり示されている。

生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,家庭生活や社会生活と技術とのかかわりについて理解を深め,進んで工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。

 この目標のねらいは,次のように整理することができる。

  @  生活に必要な基礎的な知識と技術を習得させること。
A  家庭生活や社会生活と技術の関わりについて理解を深めること。
B  習得した知識や技術を積極的に活用し,生活を工夫したり創造したりする能力と実践しようとする意欲的な態度を育てること。

 技術・家庭科の目標を踏まえて,評価の観点は下のように示されている。

観     点 趣      旨
生活や技術への関心・意欲・態度 生活や技術に関心をもち,生活を充実向上させるために進んで実践しようとする。
生活を創意工夫する能力 生活について見直し,課題の解決を目指して工夫し創造する。
生活の技能 生活に必要な基礎的な技術を身に付けている。
生活や技術についての知識・理解 生活や技術に関する基礎的な事項や生活と技術の関わりについて理解し,知識を身に付けている。

(1)  生活や技術への関心・意欲・態度
 各領域で学習する生活や技術について一層の関心をもち,課題を見いだし,課題解決を目指して意欲的,積極的に仕事に取り組み,仕事を計画的,創造的に進めるとともに,習得した知識や技術を積極的に活用して生活を工夫したり創造したりする実践的な態度が育ったかどうかをみようとする。
 各領域における指導事項に対して関心をもち,生活をよりよくするために,進んで計画し実践しようとする意欲や態度について評価する。
 生徒一人一人の学習状況や変容の姿などを短期的,長期的に把握する。
(2)  生活を創意工夫する能力
 学習が単なる知識や技術の習得に終わることなく,習得した知識や技術を積極的に活用し,課題の解決を目指して生活を工夫したり創造したりする能力が育ったかどうかをみようとする。
(3)  生活の技能
 素材を選択・加工して,生活に役立つものを作り出したり,調査・研究,計画,製作,整備などの実践的・体験的な学習活動を通して,多面的な生活の場面で必要とされる基礎的な技術が身についたかどうかをみようとする。
 単にある作品を製作する技能にとどまらず,応用・発展できる能力であることが望まれる。
(4)  生活や技術についての知識・理解
 実践的・体験的な学習活動を通して,多面的な生活の場面で必要とされる基礎的な知識を身に付けるとともに,人間生活を尊重する立場から技術をとらえて,家庭生活や社会生活を充実向上させるための技術とのかかわりについて理解しているかどうかをみようとする。
 生活や技術についての知識・理解は,単なる知識の習得ではなく,実践的・体験的な学習活動を進めるうえでの技術との関連を重視する。


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