2 研究の内容

 本研究は,コンピュータと外部機器を仲立ちするインタフフェースを使ったパソコン制御に関する教材を開発し,研究協力員が勤務する中学校での授業研究をもとに,中学校の技術・家庭科の情報基礎領域を中心とした制御の学習指導について実践的研究を行うとともに,コンピュータ等の情報手段の教育活用に関する実践的研究を行うものである。
 授業実践校での授業研究を計画するに当たっては,次の点に留意した。
  @  実習などの体験活動を重視する。
A  適切な課題を設けて,意欲的に取り組むように配慮する。
B  各領域の関連を重視する。
C  制御を通してコンピュータの仕組みをよりよく理解させるとともに,コンピュータの適切な利用について知ることができるよう指導展開を工夫する。
 本県の中学校に導入されているパソコンの機種は,きわめて多種多様になっている。それぞれのメーカーで作られたパソコンは,異なる設計思想で作られる場合が多く,一つのソフトウェアがそれぞれの機種を超えて共通に使える場合が少ない。同一メーカーでも古い機種と新しい機種があったりして,古い機種で使っていたソフトウェアが新しい機種で利用できなくなることもある。
 このように,コンピュータの機種が異なるときには,利用するソフトウェアがすべての機種で共通に使えると,そのソフトウェアを活用した授業がすべての学校で実施できるようになるので,教育効果はきわめて大きなものになる。
 教育効果の具体的なものとして,そのソフトウェアを使っての授業に関する情報交換が広く行われるようになることがあげられる。それぞれの教師の取り組みを互いに共通の土台で検討し合い,多くの学校での授業実践をさまざまな角度から集約することによって,よりよい授業の創造へと発展させることができる。
 本研究では,平成4・5年度の研究事業で開発したパソコン機種に依存しない実験計測器を技術・家庭科での制御学習に活用することにした。このことにより,県内の各中学校で制御に関する題材を同等に実施できるようになることが期待される。


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