(1) | 技術・家庭科における情報活用能力の育成
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(2) | 技術・家庭科における制御分野の位置付け 今日では,あらゆる産業分野において,コンピュータを測定装置につないで計測制御したり,温度,湿度,圧力,濃度などの環境変数を制御したり,工作器械を制御して精密部品等を加工することが,いたるところで行われるようになってきている。このようにコンピュータは,人間の生産活動においてきわめて重要な地位を占めるようになってきている。したがって,コンピュータがどのような仕組みを持っていて,どのような働きをしているのか,そして現在どのような利用がなされているかを義務教育の段階で正しく理解しておくことは,21世紀に向けての我が国の生産活動を展望する上でも,非常に大切なことである。 実社会で日常的に使われるようになってきたこのコンピュータ制御を,中学校の技術・家庭科での学習指導に取り入れることによって,社会でのコンピュータ利用がよりよく理解できるだけでなく,コンピュータを介して外部機器を操作することを通して,自分の思いを実現できたという達成感を得させることができ,積極的に情報手段を活用しようとする態度や創意工夫する態度を育成できるものと期待される。 コンピュータ制御について,中学校指導書 技術・家庭編では,「F 情報基礎」領域において,「イ コンピュータの利用分野を知ること」の中で
一方,制御に関する記述は,「B 電気」領域の「(3) 電気機器の仕組み及び電気材料について」の中にも見られ,
また,「D 機械」領域の「(2) 簡単な動く模型の設計と製作」の中でも,
指導書の各所で制御に関する記述が見られるのは,中学校学習指導要領「第8節 技術・家庭」「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の中で
コンピュータ制御は,コンピュータ,インタフェース,制御端末及びそれらを働かせるためのプログラムの知識が必要である。これらのうち,コンピュータ,インタフェースは情報基礎領域で扱う内容であり,制御端末としての電気機器や動く模型などは電気領域あるいは機械領域と関連する。したがって,コンピュータ制御を学習活動に取り入れると,各領域間に有機的な関連をもたせることができて,技術・家庭科に対する総合的な見方を養うことができるようになる。 ともすると,情報活用能力の育成は情報基礎領域でだけ行うものと受け取られ,コンピュータ等の情報手段に関する学習指導が平板的なものになりがちである。ただ単にコンピュータがどのようなものであるかというだけにとどまらず,コンピュータが何に使えるのか,どのように応用するのかといった多面的かつ能動的に取扱うことが大切である。このことによって,社会でのコンピュータ利用をよりよく理解させられるとともに,積極的に情報手段を活用しようとする態度や創意工夫する態度を育成できる。 |
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