序 |
今日の科学技術の進歩と経済の発展によって,コンピュータ等の情報機器が普及し,日常生活が大きく変化してきています。社会の情報化は,今後ますます拡大していくものと思われます。こうした状況の中で,学校へのコンピュータの導入も進み,授業が大きく変貌しようとしています。 急速に進展する情報化社会の中で,児童生徒が主体的に,しかも豊かな心を持ってたくましく生きていくためには,学校教育においても,情報を選択したり,処理したり,創造する等の情報活用能力を積極的に育成することが求められています。 すでに小学校,中学校においては,平成元年に告示された学習指導要領に対応した教育課程が実施され,平成6年度からは高等学校での実践が始まります。教育課程の実施に当たっては,新しい学力観に基づく学習指導とその評価の工夫が大切となるわけですが,そこで求められる新しい学力と情報活用能力の育成をどう結び付けて実践していくかが,大きな課題となってきています。 そこで,本研修センターでは,新しい学力観に立つ学習指導における情報活用能力の育成を主題に,平成4・5年度の2か年にわたり,県内の先生方に研究協力をお願いして実践研究を進め,その成果を本報告書第7号にまとめました。 本報告書では,理科実験指導での具体的場面において,情報活用能力を育成する視点を明示し,これを新しい学力の評価の中に埋め込むことによって情報活用能力を教科の学習指導の中で効果的に育成しようとする試みと,その結果について述べられています。 今回の取り組みは,理科という一教科に限らず,すべての教科・科目に適用して,情報活用能力の育成に役立てていただけるものと考えております。実際に活用するに当たっては,各校の生徒の実態に合わせながら,指導に生かしていただきたいと願っております。 最後に,本研究を進めるに当たり,御協力をいたださました関係学校並びに研究協力員の方々に厚く御礼申し上げます。 |
平成6年3月 |
茨城県教育研修センター所長 高 久 清 吉 |