おわりに

  2年間にわたり,自ら学び,自ら考える力を育てることをねらいとして「体つくり運動」の指導を通して研究に取り組んできた。小学校,中学校では「体ほぐしの運動」の授業研究を通して,体を動かす楽しさ,仲間とかかわり合って運動する楽しさを経験することが,自ら学ぶ力を育てる上で有効であるという結果が得られた。さらに,もっと楽しくという「ほぐしU」に移行し,その運動を工夫することが,自ら考える力を育成する上でも有効であるという結果が得られた。高等学校の実践では,「体つくり運動」の授業研究を通して,体を動かす楽しさ, 仲間とかかわり合う楽しさの経験をもとに,自分に必要だと思う体力を高めようとする意識をもたせた。その上で,生徒一人一人が工夫しながら自分の体力の高まりが実感できるような運動に取り組ませることが,自ら学び,自ら考える力を育てる上で有効であるという結果が得られた。
 今後は,「体つくり運動」で学んだ運動を生活の中で実践できるような支援の在り方や,児童生徒の発育・発達段階をふまえたそれぞれのライフステージでの「体ほぐしの運動」の教材の内容について,研究を進めていく必要があると考える。


参考文献
文部省 『小学校学習指導要領解説体育編』 平成11年5月
文部省 『中学校学習指導要領(平成10年12月)解説−保健体育編−』 平成11年9月
文部省 『高等学校学習指導要領解説保健体育編体育編』 平成11年12月
高橋健夫  新しい体育の授業を創る  大修館書店  平成6年5月


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