• 6.研究の成果
  •  本研究では,体育・保健体育科学習において,「体つくり運動」の指導を通して児童生徒が自ら学び,自ら考える力を育てる学習指導に関する研究を行った。実態調査の結果を踏まえ,小学校及び中学校においては「体ほぐしの運動」を中心に,高等学校では「体つくり運動」に取り組み,自分の運動能力や体力に応じて運動を工夫しながら実践できるような手だてを講じ,授業研究を行った。三つの授業研究より,次のようなことが明らかとなった。
    (1)  「体ほぐしの運動」の授業研究から(小学校,中学校の取り組み)
     学習過程の中で,[ほぐしT]として「律動的な動き」や「仲間とのかかわりのもてる動き」を意図的・計画的に継続して実践したことは,児童生徒が運動の楽しさに触れることができ,自ら運動しようとする意欲を高めることにつながる。
     「もっと楽しく運動したい。」という児童生徒の意欲に応える[ほぐしU]を実践することは運動を選択したり,運動を工夫したりして楽しむという自ら考える力を養うことにつながる。
    (2)  「体つくり運動」の授業研究から(高等学校での取り組み)
     他の運動領域の学習と組み合わせて「体つくり運動」を実践した。生徒が主体的に活動できるように,自分の体力を知り「体力を高める運動」の例を学習した上で,自分にとって必要な体力を考え,自分の能力に応じた「体力を高める運動」を選択したり,工夫したりして実践する指導過程をとったことは,自ら学び,自ら考える力を育てる手だてとして有効である。

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