1.研究のねらい

(1)  児童生徒及び教師を対象として,自ら学び,自ら考える力をはぐくむための理科学習に関して実態調査を実施し,実態を把握する。
(2)  児童生徒の見通しや目的意識をもった観察,実験を通して,科学的な思考力を育てる指導方法の改善や教材・教具の開発等について研究する。


2.研究主題に関する基本的な考え方

 本研究では,科学的な思考力を「自然の事象について目的(問題)をもち,その目的に関して観察,実験から事実を見いだし,事実と事実を関連づけ,それが真かどうかを実証していく思考力」ととらえた。
 科学的な思考力を育てるためには,まず,児童生徒が,自然に親しみ,自然の事象に対する関心を高め,自然の事象の中に問題を見いだすことが大切である。そして,観察,実験を行う際には,無目的に行うのではなく,問題に対して予想や仮説,その解決のための構想をもち,それらをもとに観察,実験の方法を工夫して行う。このように見通しや目的意識をもって観察,実験を行うことで,主体的・意図的な取り組みが強まり,科学的に調べる能力や態度の育成につながるようになる。そして,このような学習過程を通して,児童生徒の自然の事象についての知識・理解が深まり,科学に関する基本的概念が形成され,問題解決の能力や科学的な思考力が育成されると考える。

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