学習指導とカウンセリング
筑波大学心理学系 石隈 利紀
(本研究に関する講師)

 私は,学校心理学(一人一人の子どもの学習面,心理・社会面,進路面,健康面における問題解決を目指した援助サービスの体系であり,学校教育相談,障害児教育,学校カウンセリングの基盤となる学問)を専門としています。私は,本研究に,研究チームの一員として,小学校,中学校,高等学校の先生8人と教育研修センターの課長・指導主事の方々6人と,3年間参加しました。研究チームの一員として,「なぜ学習指導とカウンセリングなのか」と本研究の位置づけについて,一言申し上げます。

 本書は、学習指導に生かすカウンセリングの実践事例集です。小学校、中学校、高等学校における、国語、生活、算数・数学、社会、地歴・公民、保健体育、特別活動、学級活動の実践事例が14事例あります。それぞれ、授業実践をされた先生方の知恵とエネルギーが詰まっています。この事例集の魅力は、授業における児童生徒へのカウンセリング活動を、4種類のサポートから整理していることです。事例集を読まれる先生方は、「御自分の活動を4種類のサポートで整理し、点検する」、あるいは「4種類のサポートを意識的に実践する」ために役立てていただければと思います。本書が、先生方の貴重な、「宝のような実践」を整理し、仲間と共有する箱、つまり宝箱の一つを提供できることを祈ります。
 
 参考文献 『学校心理学―教師・スクールカウンセラー・保護者のチームによる心理教育的援助サービス』石隈利紀 誠信書房


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