4 本音で付き合える集団を育てる   中学生向き

ジェスチャー伝言



ねらい  グループが協力して速さを競う中で,恥ずかしさやちゅうちょを乗り越え,自分を表わす事ができ,友達の無言のジェスチャーから何を伝えたいかを真剣に受け止めることができるようにする。また,他のグループのよさを感じ取ることができるようにする。
時 間 学級活動(20分)
準 備 伝言を書いたいくつかの紙
黒板とチョーク(体育館などでやる時)
進め方 留意事項
  1. 従来の伝言ゲームは,他のグループに聞こえないように小さな声で伝えていったが今回の伝言はジェスチャーで伝えていく事を話し,より協力(自分の恥ずかしさを抑える事・相手にわかるようにジェスチャーを考える事・友達の表情からも察知する事など)が大切である事を伝える。
  2. 2人組3人組のゲームをしながら最後に6人組のグループを作る。(軽快な音楽の中を自由に歩行し,音楽のストップと同時にリーダーの示す数のとおりのグループを速く作るゲーム)
  3. 各グループ内で順番を決め,1列になるように指示し,黒板の前に座らせる。
  4. 生徒に後ろ向きになるように指示し,先頭の生徒だけをリーダーの所に呼んで,伝言カードを見せる。
  5. 覚えた伝言を次の人の肩をたたいて前を向かせてからジェスチャーで伝えていく。
  6. 最後の人に伝言が伝わったら,その人が伝言の内容を黒坂に書いてくる。
  7. 3〜6を繰り返す。
  8. グループを変えて3〜6を繰り返す。
  9. 丸くなって感想を話し合う。
  • 恥ずかしがっていたのでは内容が十分伝わらないことや,表情や動作から友達の考えている事が推測できれば,これからの友達関係がより深まることなどを話して,意欲付けを図る。
  • 始めは仲のよい集団ができやすいので,競争のみの偶然のグループができるまで十分に競い合わせたい。
  • 余ってしまった人を入れたグループに対して,競争が不利になるにもかかわらず入れられたことも みんなの前で賞賛する。
  • 作戦を含め,自由にグループ内で話し合う時間を取りたい。
  • 始めのうちの伝言は単語だけにし,リーダーから「教室にあるものです」「動物です」などのヒントを与えるとよい。
  • 無言である事だけを再度指示し,ジェスチャーの上手な生徒や動作の大きい生徒をはめていく。
  • 全部書き終わったら,リーダーから答を発表する。
  • 慣れてきたら,「猿の歯磨き」など難易度を増していく。
  • 半分のグループを交代で休ませて,他のグループの様子を見学させる事も盛り上がりに効果的である。
  • 気付いた事や感想を自由に発表させる。

子どもの反応
  • 恥ずかしかったけれど,楽しかった。
  • 恥ずかしかったけれど,競争なので頑張った。
  • やっている時よりも他のグループを見ていた時のはうがおもしろかった。
  • だんだんジェスチャーが上手にできるようになり,伝わった時はうれしかった。
  • みんなで協力してうまく伝わった時は楽しかった。
  • いつもはおとなしい人が,グループのために恥ずかしさを我慢して頑張っている事が伝わってきた。
  • 最初はいやだったけれど,気がついたら夢中だった。
  • 他のグループより速く伝えるためにどうするかを考え合って成功した。
  • 焦ると余計時間がかかってしまい,分からない事があった。友達の表情やしぐさをよく見ていた方が分かったので落ち着いてやる事が大事だと思った。
  • 最初の方にジェスチャーの上手な人を置き,後の人はそれをまねすればよかったので,あまり苦労しなかった。
  • 何を協力すればいいのか分からなかったが,一つの事に夢中になれる事が協力というものかなと思った。
  • 文句も言われたけど,慰めてくれた人が多かったのでよかった。
成 果
  • 簡単なゲームだが,言葉で伝える伝言ゲームより難易度が高いので,グループ内で どうするかを考え合うのに適している。
  • 表情やしぐさから読み取らなくてはならないので,相手への関心が高くなる。
  • 個性や本音が出やすく,互いに長所を生かして協力していくための方法が考えやすい。
  • ジェスチャーの上手な人には,別のグループからも拍手がおこった。
  • いっでもどこでもできるので,エクササイズのウォーミングアップとして使用しやすく,出題を工夫すれば何回でも飽きずに続けることができる。
  • おとなしい生徒や表情をあまり出さない生徒も出さざるを得ない状況になり,人前での恥ずかしさを取り払うのに効果がある。

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