事例一覧に戻る | 小学校1年算数 | ○なんばんめ ○あわせていくつ ふえるといくつ ○ちがいはいくつ のこりはいくつ |
つくば市立吉沼小学校 山田摩耶 |
「なんばんめ」についての授業で「前から○人目」と「前から○人」を混同している児童がいることが分かった。授業の中で取り組む問題ではほぼ全ての児童が正答するのだが,宿題では必ずしもそうではない。そこで,プロジェクター教材を使うことによって,一斉授業の中で確認を行った。
なお、授業は、LANケーブルを教室まで引いて、ノートパソコンと接続し、それをプロジェクターで電子ボードに投影して行った。
【図1 プロジェクタ教材の画面】
この実践では、文部科学省ネットワーク配信コンテンツを利用した。特に以下の点で、児童にとって親しみやすいものとなっている。
【図2 電子ボードを使って、画面に書き込みをする児童】
このように、電子ボードを用いると、色を使って画面に書き込みができるため、ポイントを全員で目で見てとらえることが可能となる。児童はこの電子ボードを使って算数のが学習をすることに興味を持ち、普段はあまり挙手しないような児童も,「ぼくもやりたい!」と手を挙げ,積極的に学習に参加することができた。児童はこの学習を通して,改めて視覚的に「なんばんめ」をとらえることができた。
「あわせていくつ ふえるといくつ」「ちがいはいくつ のこりはいくつ」についても、授業の導入でコンテンツを活用した。これは、児童の実態として、足し算や引き算の計算は就学前にある程度練習してきていても、「足し算」「引き算」の意味を実生活と結びつけて「わかる」児童が非常に少なかったからである。
【図3 児童にも親しみやすい画面】
【図4 図3の続きの画面。電子ボードに書き込むこともできる】
このコンテンツを活用したことにより、児童は足し算や引き算の意味を正しくとらえ、文章題における立式もスムーズに(本来5+2なのに2+5としてみたり、5−2なのに2−5とするなどがなく)できた。
足し算・引き算の単元の学習後,児童たちは初めてコンピュータ室に足を踏み入れることとなった。本学級の児童は27名おり,コンピュータに触ったことのない児童も多い。そこで,6年生に児童のサポートを依頼してCAIを利用しての個別学習を行った。
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【操作は6年生に教わる】 | 【自然と「共に学ぶ」姿も見られた】 |
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【「背伸びをしましょう」と表示される】 | 【教師用モニターで進行状況を把握】 |
6年生がマンツーマンで1年生に付いたので,どの児童もスムーズに学習を進めることができた。また,問題も1年生向けに双六が取り入れられていたり,正解すると画面に花が咲いたりと,楽しみながら学習できるようになっていた。問題も多数用意されており,それぞれが自分のペースで学習を進めることができたため,児童にとっては満足度が高かったようである。学習後,クラス全員が「楽しかった」「またやりたい」と答えた。
コンピュータ室での個別学習は,教師用モニタで個々の進行状況や,どこでつまずいているのかなど,細かいデータをとることができる。事後の指導にこれらのデータをどう活かしていくかを考える必要がある。また,コンピュータの操作スキルの差が問題を解く上での妨げにならないように配慮していくことが必要である。
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