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研究主題に迫るための手だて |
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高橋健夫氏らは前述の「子ども達の求める体育授業」において「特に強く求める条件」についても分析を加え,「第一に求めることは,楽しく,精一杯運動させてくれる授業であることが分かる。(中略)楽しさの条件の充足の上に『成果(できる・分かる)』や『協力』の条件が満たされたとき,子どもが心から求める『よい体育授業』が実現されるといえよう」と述べている。本研究は,「個に応じた学習指導」を通して,児童生徒の望む「体育授業」に迫ろうとするものである。そこで,楽しさの充足を前提としながら,「個に応じた学習指導」を行い,「技能」「学び方」について児童生徒が「成果」として感じられ,「態度」が身に付くような授業にしていきたいと考える。そのため以下の手だてを取り上げ,各校の実態に合わせて取り組むこととした。 |
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(1) |
学習内容の明確化と教材の精選 |
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発達段階や児童生徒の実態に応じた学習内容を明確にしたり,教材を精選していくことなどを通して個に応じた指導を図る。 |
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(2) |
学習過程の工夫 |
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基礎的・基本的な技能の習得が図れるよう,「ドリルゲーム」や「課題ゲーム」,「確かめのゲーム」の設定,「ゲームの様相や学習課題を想定したステージ」の設定などを考えた。また,「オリエンテーション」や「話合い」の時間の設定によって主体的な学習を図り,課題解決のために個の考えが生かされるようにしたいと考えた。 |
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(3) |
評価の工夫 |
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自己評価能力を高めるために,「評価規準の設定」「振り返りや児童生徒同士の相互評価の場の設定」「学習カードの活用」「教師と児童生徒との相互評価」等の工夫をする。 |
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(4) |
学習環境や指導・支援活動の工夫 |
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「課題の提示の仕方の工夫」「グループ(チーム)編成の工夫」「場・ルールの工夫」「学習資料・学習カードの工夫」「教師の言葉かけの工夫」など,児童生徒が学習を進めていく環境を工夫・改善していくことによって,個に応じた指導を図る。 |