本年度は,完全学校週5日制となり,新しい学習指導要領のもとで教育課程(高等学校では平成15年度の入学者から実施予定)が実施され,未来を担う子どもたちの生きる力をはぐくむ教育がスタートしました。現在進行している教育改革では,中央教育審議会の第一,二次答申の提言を具体化するための諸施策と「教育改革国民会議」の「17の提案」を実行に移すため策定された「21世紀教育新生プラン」(平成13年1月)に沿った諸施策が,次々と進行しています。また,新しい時代にふさわしい教育基本法の改正に向けた審議も継続中であり,社会の変化の激しさや,少子化,核家族化に伴う人間関係の希薄化などにより,家庭や地域の教育力の低下が一部では懸念される傾向があります。 茨城県教育研修センターでは,「生きる力をはぐくむ学校教育」という統一研究主題をかかげて教育研究を進めております。この研究事業の一環として,平成13,14年度の二年間にわたり取り組んでまいりました研究がまとまり,その成果を刊行する運びとなりました。 教職教育課においては,「特色ある学校づくりと教育課程経営の在り方」の研究主題をかかげ,教育課程経営の具体的な方策を明らかにし,各学校での特色ある学校づくりと教育課程経営の工夫改善に生かすことができるよう,研究を進めてまいりました。 教科教育課においては「個に応じた学習指導の工夫改善」の研究主題をかかげ,さらに,国語,算数・数学,生活,図画工作・美術,農業・工業・商業の各教科ごとに研究主題を設けて研究を進めました。そこでは,児童生徒一人一人のよさや可能性を伸ばし,個性を生かす教育の一層の充実を図るために,個に応じた学習指導の研究を進めてまいりました。 特殊教育課においては「特別な配慮を要する子どもへの支援の在り方」の研究主題のもとに,小・中学校における特別な配慮を要する子どもへの支援の在り方について理論的実践的な研究を進めてまいりました。 研究の詳細につきましては,CD−ROMに収録しました研究報告をご参照いただき,これらの研究が広く活用いただければ幸いです。 最後になりましたが,研究を進めるに当たり,ご指導いただいた講師の先生方,調査・研究等にご協力いただきました関係学校及び研究協力員の先生方に心から感謝の意を表します。 平成15年3月 |
茨城県教育研修センター所長 山 内 洋 行 |