第6 これからの教育課程経営の在り方 | |||||
本研究において,理論研究,調査研究をもとに,実践の視点を見いだし,研究協力員の各学校において教育課程経営を実践してきた。 ここで,これまでの2か年の研究をもとに,これからの教育課程経営において特に留意していきたい点についてまとめる。 |
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1 | 学校成員の自己実現を目指す教育課程経営の推進 | ||||
教育行政の地方分権の推進,学校の自主性・自律性の確立が求められ,教育課程経営においても,この「経営」という視点が一層重要視されるようになってきている。今後は,経営の本質的要素である「人をマネジすること」,即ち,学校成員である教職員,児童生徒,保護者の「自己実現」を目指す教育課程経営の推進に努めていかなければならない。 | |||||
2 | バランスのとれた質の高い教育課程の編成と実施の推進 | ||||
学力低下論争等により,必修教科の指導のみに教育課程経営の重点が置かれている傾向にある。児童生徒の生きる力を育成するためには,必修教科の指導を重視するのはもちろんのこと,選択教科,道徳,特別活動,総合的な学習の時間の在り方にも目を向け,バランスのとれた教育課程の編成と実施を一層推進していかなければならない。そして,学習内容を精選し,知識・理解をじっくり深め,学ぶ意欲を高めていけるような質的向上を目指した教育課程の編成と実施にも努めていかなければならない。 | |||||
3 | データに基づいた評価,改善の推進 | ||||
教育課程経営においては,評価の果たす役割は大きい。そして,より客観的な評価を行うことによって,よいよい改善策も見いだされる。より客観的な評価を行うためには,データが必要となる。今後は,詳細にデータを収集し,それに基づいた評価,改善の一層の推進を図っていかなければならない。 | |||||
4 | カリキュラムセンターの充実 | ||||
教育課程経営において,日常的に授業改善を行っていけるようにするためにも,今後もカリキュラムセンターの充実を図っていかなければならない。 研究協力員の各学校においては,コンピュータを活用してのカリキュラムセンターの取り組みが紹介されている。今後は,このことに加えて,カリキュラムセンター担当者の配置とその担当者の実務内容の工夫改善が求められる。 |
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5 | 教員一人一人の教育課程経営能力の向上 | ||||
教育課程経営は,教職員の協働体制のもとに進めていくものである。しかし,協働体制をとりながらも,実際に教育課程経営を展開していくのは教員一人一人である。今後は,教員一人一人の教育課程経営能力を確実に向上させていかなければならない。 具体的な方策として,教員一人一人の教育課程経営能力に即した校内研修,校外研修の充実が考えられる。 |