6 | 学期及び年間における教育課程経営 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学期及び年間における教育課程経営での「評価」「改善」「編成」「実施」の取り組みのポイントを示す。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1) | 学期における教育課程経営 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
@ | 評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ア | 評価の目的,方法,留意点等の共通理解 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(ア) | 評価の目的 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(イ) | 評価の方法及び留意点等 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イ | 評価項目・具体的設問の設定 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評価項目としては,基本的に教育課程経営の内容があげられる。そして,その項目に即して評価の観点を設定する。その後,観点ごとに具体的な設問をつくっていく。その際,毎学期継続して評価するもの,その学期のみ評価するものとを明確にしておくことが大切である。 評価項目の例として,次のようなものが考えられる。【実践事例6,10参照】
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ウ | 評価手順の共通理解 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学期ごとの評価も計画的,組織的,多面的に全教職員で行う必要がある。また,教職員以外の外部評価も考えられる。【実践事例5,6,10参照】 このような評価を行っていくためには,評価手順の共通理解を図る必要がある。共通理解を図るためには,評価用紙の作成から評価・改善までを含めた一連の流れを明確にしておくことが大切となる。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エ | データの収集 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評価では,結果はもとよりその過程が大切である。そして,全教職員等で,計画的,組織的,多面的にデータを収集していくことが重要となる。【実践事例8,10,12,13参照】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A | 改善 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ア | 評価によって得られた情報をもとにした成果と課題の明確化及び改善策の検討・決定 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
各学期においては,評価によって得られた情報をもとに成果と課題を明確にし,改善策を検討・決定していく。その際,次の学期に改善を図るもの,次年度に改善を図るものとに分けながら改善策を明確化していくとよい。【実践事例2,6,8,12,13参照】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イ | 改善策の説明 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
改善策については,教職員の共通理解を図る上からも一覧表などにまとめ,説明することが大切となる。また,児童生徒,保護者,地域の人々にも説明しなければならない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
B | 編成 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学期における編成では,改善策をもとにした次の学期の計画等の改善作業が基本となる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
C | 実施 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ア | 授業及び単元における教育課程経営 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ここでの実施は,具体的には,授業及び単元における教育課程経営を意味する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) | 年間における教育課程経営 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
@ | 評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ア | 評価の目的,方法,留意点等の共通理解 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(ア) | 評価の目的 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評価の目的として,まず教育課程経営の成果を確認することをあげたい。成果を確認し合うことによって,教職員の教育課程経営に対する自信が深まり,また意欲が高まるのである。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(イ) | 評価の方法及び留意点等 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
外部評価は,内部評価を補完するものととらえる。また,外部評価の主体である児童生徒,保護者,地域の人々,授業にかかわった人々が評価できる項目を明確にし,評価に必要な情報を提供した上で,評価を行ってもらうことが重要となる。【実践事例3,7,8参照】 年間における教育課程経営の評価では,教育課程経営全般にわたって多面的に評価しようとする考えから,評価項目が多くなる傾向にある。また,各評価項目に対して,5段階等の尺度を用いた評価を実施し,評価結果を集計し,平均値を求めたりする傾向も見られる。その際,平均値だけに目を奪われ,評価の目的を見失うことのないようにしなければならない。 評価では,評価の過程を重視することも重要である。評価への取り組みを組織をあげて行う中で,教育課程経営を振り返り,教職員の教育課程経営に対する意識・使命感が高まり,教育課程経営能力を向上させる効果が期待できるのである。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イ | 評価項目・具体的設問の設定 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評価項目としては,基本的に学期における教育課程経営の評価項目と同様のものがあげられる。 ここで特に留意しなければならないことは,先に示したように,具体的な設問の量と評価方法である。評価方法としては,項目ごとに記述させる方法や自由記述欄を設けて記述させる方法が有効である。 なお,次のような項目を設けて記述させる方法も,即対応でき,改善には有効である。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ウ | 評価手順の共通理解 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
教育課程経営の評価で最も重要なのは内部評価である。そして,内部評価は外部評価とも連携させながら計画的,組織的,多面的に全教職員で行う必要がある。また,評価の過程を大切にしていく必要がある。 このような取り組みを確実に行っていくためには,評価手順の流れ図を作成し,共通理解を図り,それに基づいて実践していくことが有効である。【実践事例5,10参照】 評価手順の流れ図の作成における留意点として,次のようなことがあげられる。
図3 評価手順の流れ図 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エ | データの収集 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評価では結果はもとより評価の過程が大切である。そして,評価手順の流れ図に沿って,全教職員で,外部と連携し合って,計画的,組織的,多面的にデータを収集していくことが重要となる。 学期毎に行っている教育課程の評価結果をデータの一つとして有効活用することも重要である。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A | 改善 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ア | 評価によって得られた情報をもとにした成果と課題の明確化及び改善策の検討・決定 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
まず,改善策の検討・決定の基本的な手順を示す。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イ | 改善策の説明 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
改善策を外部評価者へ説明することは,説明責任という視点からも大切である。また,改善策を公表することは,外部へ実施を公約することにもなり,重要な取り組みであると言える。【実践事例13参照】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
B | 編成 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ア | 組織を生かし,全教職員の参加及び一人一人の意思決定による教育課程の編成 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
教育課程は全教職員の協働体制のもとに実施されなければならない。そのためには,校務分掌の各組織を生かして教育課程を編成すること,そして,一人一人が教育課程の編成作業に主体的に参加し,自分の考えを述べ,教育課程の編成に責任をもつことが重要である。 これらのことを可能にするためには,編成作業の手順の中に,全教職員が編成にかかわれる場を位置付けておくとともに,全教職員が教育課程の編成作業の過程を共通理解しておく必要がある。これらのことを行っておくことによって,教育課程の編成作業が確実に進められるようになる。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イ | 改善策をもとにした教育課程の編成 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
教育課程の編成は,白紙の状態から行うのではなく,教育課程経営の評価と改善から得られた改善策をもとに行っていくことが重要となる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ウ | バランスのとれた教育課程の編成 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
教育課程経営は,学習指導要領に基づき,学校の教育目標の実現のために行われる。そして,各学校の教育目標には,知・徳・体,即ち生きる力の育成が含まれている。 これらのことから,各学校における教育課程経営では,学習指導要領に示された教育内容をバランスよく編成していくことが求められる。国語や算数だけを重視し過ぎたり,総合的な学習の時間を軽視したりすることがあってはならない。また,各教科の基礎的な知識や技能の習得だけを重視するような教育課程の編成もあってはならないことである。 このような取り組みを可能にするためには,各学校の教育課程を編成するにあたり,まず各学校ごとに自校の教育の全体構想(グランドデザイン)を描き,その共通理解を図ることが必要となる。【実践事例3参照】 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エ | 指導内容の選択と組織化 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
指導内容の選択と組織化については,昨年度の調査結果が示すとおり,各学校の課題であり,教育課程の編成において重要な取り組みである。 先に示した,「組織を生かし,全教職員の参加及び一人一人の意思決定による教育課程の編成」「改善策をもとにした教育課程の編成」「バランスのとれた教育課程の編成」を踏まえて行うことはもとより,次のことを確実に行うことが肝要である。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
オ | 年間指導計画の作成 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
年間指導計画の作成は,編成において重要な取り組みである。次のような留意点を全教職員で共通理解し,その作成に取り組んでいかなければならない。【実践事例13参照】
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
C | 実施 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これは,編成に基づいた実施であり,具体的には,学期,単元及び授業における教育課程経営を意味する。 |