2 | 平成14年度の講義概要 | |||||
講義題 「これからの教育課程の評価と編成の在り方」 | ||||||
(1) | カリキュラムづくりに焦点をあてた学校づくり | |||||
(2) | カリキュラム評価 | |||||
評価は良し悪しのみを判断するものではない。児童生徒の経験の総体をとらえ,よく観察して,児童生徒に合った処方箋を出すことが重要である。 | ||||||
@ | アセスメント | |||||
評価の第一歩とはアセスメント(観察・調査)ととらえる。
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A | カリキュラム評価 | |||||
(例)学力テスト
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B | S(評価)→P(計画)→D(実践) | |||||
単元づくりも単元改善という視点が大切である。 まず,現状のカリキュラム評価を実施し,自校の足元を見ることから始める。 |
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(3) | 校内カリキュラムセンターの設置 | |||||
カリキュラム評価は,それを行う部署を設けなければ,結局実施されない。この部署として校内にカリキュラムセンターを設ける必要がある。 モデル校としては,館山市立北条小学校があげられる。 次に,設置の手順を示す。 |
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@ | 過去の単元表や指導案等の授業実践記録と資料を保管しておく部屋づくり | |||||
ア | 空き教室等を利用して2教室サイズ以上の空間を確保する。無理な場合は,職員室の一角にコンピュータをデータベースとして設置することも考えられる。 | |||||
イ | 教科,道徳,特別活動等の指導案を保管する。 | |||||
ウ | 単元表をもとにした指導案を使って授業を実践し,その結果を,子どもの反応や問題点を中心に記述しておく。これがデータとなり,指導計画の改善に役立つ。 | |||||
A | 作成した教材等の保管棚の整備 | |||||
ア | 作成した指導案はもとより,作成した教材等を保管する棚を整備し,共有化できるようにする。 | |||||
B | 人員の配備 | |||||
ア | 人数は多くしない。多いと機能しづらくなる。 | |||||
イ | 教務主任と教育課程や評価・分析に関心をもつメンバーとで構成する。 | |||||
ウ | 他の校務分掌が割当たっていない校内カリキュラムセンター専任者を置く。 | |||||
エ | 校内でカリキュラム評価の専門家を育てることも重要である。 | |||||
C | 各学校の実態に応じた取り組み | |||||
ア | 最初から校内カリキュラムセンターの設置が難しい学校においては,一つの学年,一つの教科から,単元表や指導案,教材等の保管を始める。 | |||||
イ | そのよさを少しずつ教職員に広め,校内カリキュラムセンター設置の理解者,賛同者を増やしていく。 | |||||
(4) | 校内カリキュラムセンターを核とした教師への支援とカリキュラム評価 | |||||
@ | カリキュラム改善への教師の意欲と要求の組織化 | |||||
必要のないところに支援は行えない。現行のカリキュラムを改善したいという教師の意欲と要求を組織化する。具体的には,全学年,全教科等の全単元の一覧表を作成し,掲示する。このことにより,教師が日々の授業実践をカリキュラム全体のなかで意味づけることができる。そして,教師の間で「授業をベースにカリキュラムを改善する」必要性が生じる。 | ||||||
A | 授業記録の収集 | |||||
各学年で担当教師が工夫して一定の成果をあげていると見なされる各教科等の指導計画と実践記録を収集し,その累積を図る。 道徳や特別活動についても,一定の改善を試みたビデオ等の記録を集める。 この収集過程で,教師たちは自らの実践記録を残しておかなければならず,また,その記録を同僚に公開し,相互に批評し合う機会をもつことになる。 |
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B | 収集された実践記録の利用と実施後のコメント | |||||
収集された実践記録を校内の教師が自由に閲覧できるようにする。 これを利用した場合には,必ずその実施結果と問題点をコメントするように求める。指導計画を改訂するときに,コメントされた内容を生かすためである。 このコメントは,カリキュラム評価につながるので,利用者のコメントが感想にとどまらないよう,一定の書式にしたがって記入することが重要である。 このような一連の取り組みにより,教師への支援とデータの収集が一体化する。 |