は じ め に

 新学習指導要領の社会・地理歴史・公民科(以下,社会科とする)における改善の基本方針では,「自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力などの資質能力,問題の発見と解決能力,学び方などの学習技能などを身に付ける」ことを重視している。
 社会科の授業では,社会的事象について一面的な見方に立った知識を教え込むのではなく, 児童生徒が多面的・多角的なものの見方や考え方をもって判断し行動できる学習活動の展開が大切である。このような授業を展開していくためには,講義だけで一方的に知識注入をするのではなく,児童生徒に主体的な学習を促す工夫や,自分の考えを述べたり他者の考えを聞いたりするなどのコミュニケーション能力の育成を図るとともに,学習の様々な場面で適切に表現できる力を育てる指導方法についての工夫改善が必要と考える。
 そこで,社会科の研究主題を「豊かな表現力やコミュニケーション能力を育てる社会科学習の指導の在り方」と設定した。



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