1. 課題と対策
    (1) WWW機能
      困難を感じる点
         WWWで教育情報を引き出す場合の困難点
     図4−6はWWWで教育情報を引き出す場合の困難点である。
    図4−6 WWWで教育情報を引き出す場合の困難点
    図4−6
         
        WWW機能による情報発信をする場合の障害
    図4−7はWWW機能による情報発信をする場合の障害である。
    図4−7 WWW機能による情報発信をする場合の障害
    図4−7
      考察  
         WWW情報検索
     インターネット実践校は,ISDNを利用して専用回線を引いている学校が多い中,「WWW情報の転送・表示に時間がかかる」と答えたものが一番多く,次いで「情報が一般向けで教育用の情報が少ない」であった。特に,「様々な情報を得ることができることがわかったようだが,表示するまで時間がかかり,その間に集中力が切れてしまうことが多い」などの回答も見られた。目的の情報を素早く検索できるよう、教育情報のリンクが進むことを期待する。情報を利用する上で著作権の問題で再利用できない点も課題である。
         WWW情報発信
     情報発信での障害は,「情報の変更や更新に手間がかかる」と答えた学校が最も多く,次いで「児童生徒用の設備が不十分である」,「校内の組織が整備されていない」であった。
     このことより,ホームページ更新に担当教諭が苦心している姿が見える。ホームページ更新は頻繁におこなわなければならず、掲載する内容の検討も必要である。さらに,操作できる教員を増やすための研修が大切である。
    (2) 電子メール
      電子メールを利用する場合の困難
    図4−8は電子メールを利用する場合の困難点である。
    図4−8 電子メールを利用する場合の困難点
    図4−8
      考察
     電子メール機能では,「学校の設備が不十分である」と答えた学校が最も多く,次いで「メルアカウントが少ない」,「メール相手校を見つけるのが難しい」,「活動時間の確保が難しい」の傾であった。設備の問題を除けば,相手との問題であり,インターネット実践校が増えることで解消すると思われる。
     一方,「外国とのメールでは時差の関係で不都合が生じる」に答えた学校はなかった。これは,翻訳する時間のために,時差が有効に活用できると考えられる。
    (3) CU-SeeMe機能
      CU-SeeMe機能を利用する場合の困難
    図4−9はCU−SeeMe機能を利用する場合の困難点である。
    図4−9 CU−SeeMe機能を利用する場合の困難点
    図4−9
      考察
    CU−SeeMe機能に関しては,その機能を十分に使っている学校が少なく,検証することが難しい。しかし,回答のあったすべての学校で,「活動時間の確保が難しい」と答えている。これはリアルタイムでの交信なので,相手校と指導計画や活動時間の調整が必要なためと思われる。また,画像を送受信するため,回線速度が遅いこと,リフレクタが十分に機能しないことなどの点を課題として上げている。
    (4) インターネット全般の課題
    アンケートより実践校の悩みとして次のような回答が寄せられた。
    • 学習に積極的に取り組むようになった。生徒間で教え合う姿が見られるようになった。
    • コンピュータを使うことで個人差が今まで以上にはっきり出てきたように感じる。そのため,教師の負担も今までよりさらに大きくなってきた。
    • 能力格差の拡大,授業の進み具合が生徒個人によって行われるのでこのような傾向が生じると思われる。

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