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授業研究のねらい
自己表現ができるようにするためには,創造の過程を重視し,十分な時間の確保と場の設定を工夫することが大切である。いろいろな表現を体験することによって,発想もひろがり構想も柔軟なものとなる。また,試行錯誤をしながら構想をより確かのものにしようとしたり,問題を発見し,それを解決しようとしたりしていろいろな工夫や努力をしながら自分なりに表現していくことができるようになる。
中学2年生は大人になりかけの心と身体をもち,希望を大きくもち自分を認めてもらいたい,できることならよく認めてもらいたいと考えている反面,現実に矛盾を感じている時期でもある。そこで,本研究では,この不安定な時期の自分を素直に見つめ,自己を表現する複合題材「わたしって・・・ こんなわたし?」を設定した。これを通して,生徒一人一人が発想をひろげ,様々な表現方法を試み,創造的な表現ができるような学習活動の展開について究明する。 |
(2) |
一人一人のよさや可能性が生きる学習のための手だて
ア |
表現への抵抗感を少なくし,意欲をもたせるために複合題材を設定し,ひらめきや思い付きを大切にしながら自分なりに表現できるようにする。 |
イ |
目に見えないものを描いていくのが難しいと感じる気持ちを取り払い,表現することの楽しさを味わわせ,発想をひろげやすくできるようにスクリブル(即興的な制作)を実施する。 |
ウ |
副題を決めるための時間を十分とり,自分なりの表現について,主題や意図がしっかりと把握できるようにする。 |
エ |
生徒一人一人の表現の幅をひろげるために,いろいろな材料や用具を準備し,選択できるようにする。 |
オ |
学級全体での学び合いと励まし合いができるような鑑賞活動を,制作過程で多く取り入れる。 |
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(3) |
授業の実践
ア |
学習の主題
「自己の内面に主題を求めて自己をしっかり見つめさせ,もしかすると自分も気付かなかった自分を表現する。そのために,スクリブルを通して,いくつかの技法を体験しながら自分の個性に触れる。また,いろいろな材料や技法を試しながら,自分の感性に合った表現を探りながら制作する。」 |
イ |
題材 『わたしって… こんなわたし?』 |
ウ |
目標
目 標 |
評 価 の 観 点 |
関・意・態 |
発想・構想 |
創造・技能 |
鑑賞 |
○ |
自己の内面に迫り,自分の感性を大切にしながら,意欲的に制作しようとする。 |
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◎ |
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○ |
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○ |
題名や副題,スクリブルをもとにして,発想を広げ,自分の表現意図に合った構想を深めることができる。 |
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○ |
◎ |
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○ |
自分の表現意図に合った材料や用具等を準備したり,表現方法を工夫したりしてつくり上げることができる。 |
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○ |
◎ |
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○ |
お互いの作品の鑑賞を通して,自他の作品のよさを認め合い,自らの作品や制作態度に生かすことができる。 |
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○ |
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◎ |
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エ |
学習の流れと授業の記録(17時間扱い) |
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