(3) |
授業研究の実践言語感覚を育てるために,児童生徒に言葉や文とどのようにかかわらせるかということについて小学校,中学校及び高等学校の校種ごとに授業の実践をした。以下は,その実践記録である。 |
【授業研究1】小学校第5学年「大造じいさんとガン」
1.授業の構想(1) | 一つ一つの細かな叙述に着目する場の設定 物語文教材にディペートを取り入れることによって,子供たちは,立論のために教材文の叙述に立ち返りながら話し合って,考えを検討してまとめていこうという必要感をもつ。また,反論があれば,相手の立場に対する意見をまとめるために叙述に立ち返って読むという活動を繰り返し,細かな叙述に着目しながら物語文を読む学習ができると考えた。 つまり,物語文の読みにディベートを取り入れることによって,叙述に即して読むという活動が必然的になり,子供の意欲に支えられた学習活動にすることができると思われる。 |
(2) | 適切な表現を選んで話す場の設定 ディベートでは,論題について聞き手に分かりやすく説明できるように論を構成する必要がある。また,子供たちは立論に対して様々な角度から反論されることによって,読み取りの内容や論拠に対する新たな考え方に接することができると思われる。このことによって,立論が的確かどうかを分析し,立論の表現をより適切にするための主体的な推敲活動が行われるであろう。正しく分かりやすい表現をまとめるための過程を通して,言葉の適否や正誤についての感覚を育てることができるのではないかと考えた。 |
(3) | 相手の話の内容を正確に聞き取る場の設定 相手が論題について主張しているときには,論拠が叙述に基づいているか,筋道が通っているかなどを判断することが求められ,相手の反論に対しても,その内容を正確に把握することが必要とされる。相手の立論を批判的に聞こうとしたり,反論の内容を正確に理解しようとしたりすることで,目的を明確にした聞き方になり,言葉の使い方に気を配るようになるのではないかと考える。また,審判をする子供たちも論の述べ方について注意深く聞くようになるであろう。 |
第5学年 国語科学習指導案
○ | 人物の動きや心情の移り変わりに関心をもち,自分から読み進めようとすることができる。 | (関心・意欲・態度) |
○ | 自分の考えを明確にして話し合い,さらに考えを深めて文章にまとめることができる。 | (表現の能力) |
○ | 場面の移り変わり,人物の関係や気持ちの変化,主題・要旨を読み取ることができる。 | (理解の能力) |
○ | 熟語,動きや様子を表す語,色彩語等について理解を深め,自分の文章に使うことができる。 | (言語についての知識・理解・技能) |
(1) | 指導にあたって(省略) | |||||||||||||||||||
(2) | 学習計画(11時間 本時は第2次の第7時) 第1次(2時間)全文を通読し感想をもつ。第2次(〜5時)グループでディベートを考えたい場面と論題を探し,準備をする。
|
(1) | 目標 自分の考えを明確にし,表現することによって更に考えを深めて話し合うことができる。 |
|||||||||||||||||||||||||
(2) | 準備・資料 ・ディベート学習プリント・審判用プリント・OHP・自己評価カード | |||||||||||||||||||||||||
(3) | 展開
|
資料1 子供がまとめた発表原稿の一部
国語目次