5.おわりに

「生徒の感性を育てる多様な学習活動の工夫」という主題で研究を進めてき たが,多様な形態の活動,様々な音楽体験,創造的な音楽活動,多様な音楽と の触れ合い等を考えた授業実践により,主体的・意欲的学習態度が身に付いて きている。

第2学年においては,必修音楽では十分に時間を取ることが難しい創作の学 習を最終的な目標として取り組ませた。創作活動というと,生徒によっては抵 抗感が強く,扱い方を工夫しないと主体的な活動を進めにくい部分である。本 指導においては,生徒にとって興味のあるギターの学習から入り,さらに,そ こで学習した知識を創作オルゴールの伴奏付けに生かしながら,無理なく創作 活動を進めることができた。

第3学年における取り組みでは,ティームティーチングを通して,小アンサ ンブル活動の各グループヘのきめ細かな支援により,充実した活発な活動がで さた。ティームティーチングは,生徒からの幅広い活動欲求にこたえられ,多 面的に指導がでさる利点がある。そして,発表会を持つことにより,活動の成 果の発表とその相互鑑賞を通して,活動する喜びを実感し,さらにはお互いを 認め勤まし合い,今後の課題を見つける等,活動の活性化が図られた。

このような創作活動や小アンサンブル活動によって,生徒の感性が育ちつつ ある。しかし,生徒個々の特性に対応した活動を組む中で,一人一人の特性を 十分に発揮させる活動に対する支援は大変難しく,その方法,内容を吟味検討 していくことが今後の課題である。


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