序 |
中学校の新学習指導要領が平成5年度から全面実施となり,生徒一人一人の特 性等に応じ,個性を伸長させるため,興味・関心に応じた多様な学習活動を展開 することのできる選択教科が一層重視され,教育課程に位置付けられました。今 まで,3年生のみに位置付けられていた選択教科が,2年生も対象として幅が広が り,時間数も増えました。そこには,個々の生徒のよさを伸ばしていこうという 新しい学力観が示され,まさしくそのねらいに合致している選択教科の在り方を どのようにしていくかの課題がでてきました。 そこで,本研修センターでは,2か年計画で,音楽,美術,保健体育,技術・ 家庭における選択教科の指導が各学位においてどのように実施されているかの実 態を調査し,選択教科の開設方法や望ましい指導の在り方を研究して参りました。 選択教科とは,各学枚が地域や学校の実態並びに生徒の特性その他の事情を考 慮して行うものであるので,当然各学校による取り組みに違いがあり,それぞれ の特徴があります。このたび生徒の能力・適性,興味・関心等に基づき,生徒の 特性に応じて,多様な学習活動ができるという,必修教科とは違った面をとらえ て,協力員の先生方の学校で実際に指導してきたものをまとめたものです。 選択教科の指導にあたっては,社会の変化に主体的に対応して21世紀を生き ていくための心豊かな人間の育成を目指して,自分の課題を解決したり,実現し たりするために思考し,判断し,表現するなどの能力を伸ばすような授業を試み ました。選択教科の展開においては,教科内に選択のコースを設けたり,‘課題研 究に取り組ませたりとなるべく多様な学習活動を示しました。本研究が各学校で 選択教科を運営していく上で参考になることを願っております。 最後にこの研究を進めるにあたり,御協力頂きました関係中学校及び研究協力 員の先生方に心よりお礼を申し上げます。 |
平成6年3月 |
茨城県教育研修センター所長 高久清吉 |