1.  「インターネットを利用する教材」の事例
    (1) Web教材
       「インターネットを利用する教材」の事例について,インターネットで調査した。しかし,「インターネットを利用する教材」で検索しても,該当するページが見つからなかった(平成12年8月7日YAHOO!JAPANにて調査)。そこで,(1) で定義した内容で検索したところ,「Web(ウェブ)教材」や「教材Webページ」などと呼ばれている教材が見つかった。これらの教材を調べてみると,それはまさしく「インターネットを利用する教材」であった。
     そこで,「Web教材」を検索すると,約4万件ものページを見つけることができた(平成12年8月7日YAHOO!JAPANにて調査)。検索したページには,重複するページや関連情報が含まれていることから,約4万件もの「Web教材」が見つかったわけではない。しかし,たくさんの「Web教材」があることがわかった。更に,アメリカでは,「インターネットを利用する教材」を「Web-based Learning Materials」と呼んでいることもわかった。これらのことから,本研究で開発する教材も「Web教材」と呼ぶことにする。
       
    (2) Web教材の分類
       「Web教材」について調査した結果,地域の素材を生かした教材が少ないことなど気付いたが,統計的な調査は行わなかった。事例の調査では,今後の教材開発に生かせるように,「Web教材」の特徴を調べ分類を試みた。その結果,「解説指導型」「情報検索型」「ドリル学習型」「シミュレーション型」「作業型」「計測制御型」「チュートリアル型」の7つの型に分類することができた。なお,分類に当たっては,「情報教育に関する手引」(平成2年7月文部省)に述べられている教育用ソフトウェアの分類を参考にした。
     
     解説指導型Web教材
       「解説指導型」は,教科書や参考書のような紙ベースの教材をWebページに置き換えたようなWeb教材である。リンクさせることで別のページに移動することができるので,関連のある内容を互いに関係づけて学習させることができる。
     1ページで閲覧できる情報量では紙ベースの教材が優れ,動画や音声を取り扱えるなどの点ではWeb教材が優れると考えられる。
      図2
     
     情報検索型Web教材
       「情報検索型」は,メニュー画面のように項目から検索させるタイプと,データベース・システムのようにキーワードから検索させるタイプがある。
     項目から検索させるタイプは,表示されている項目をマウスで選択することによって,該当するページが表示されるようになる。該当するページを同じサイト内に置く場合と,別のサイトのページを利用する場合とがある。別のサイトにあるページを利用する場合,一般的に「リンク集」と呼んでいる。
     キーワードから検索させるタイプは,サイトから問い合わせのできるデータベース・システムを利用している場合が多い。キーワードを入力させるもの,キーワードを複合して検索できるもの,チェック項目を用意して検索の手順を簡略化するものなどがある。
      図3,4
     
     ドリル学習型Web教材
       「ドリル学習型」は,学習内容の定着を図るために反復練習を中心としたドリル学習に有効に活用できるように工夫されたWeb教材である。模範解答,解説,採点結果などを表示するもの,出題の順番を乱数で変更するもの,学習者の回答に応じて出題内容を変えるもの,回答にあわせたKR情報(Knowledge of Results)を表示するものなどがある。また,学習の履歴を,サーバに蓄積し,学習の個別化を図れるようにしたものもある。
      図5
     
     シミュレーション型Web教材
       「シミュレーション型」は,現実の現象を模擬的に再現することにより,実際の挙動を調べたり,実体験することのできない自然現象についての理解を深めたりすることのできるWeb教材である。また,機械などの操作技術を模擬的に学んだり,防災訓練などを模擬的に体験することができたりするのも「シミュレーション型」のWeb教材である。
      図6
     
     作業型Web教材
       「作業型」は,図形作成,お絵かき,塗り絵,パズルなど,実際に操作することを通して学習できるWeb教材である。学習に必要な図形を描いたり動かしたり組み合わせたりして調べることができる教材など教科の内容に密着したもの,アプリケーションソフトウェアで実現されている機能を子供向けに限定して使い易くしたもの,ゲーム的な要素を取り入れて遊び感覚で楽しみながら知識が身に付くものなどがある。
      図7
     
     計測制御型Web教材
       「計測制御型」は,自動計測されたデータを一定の時間間隔でアップロードしたり,計測機器や実験装置などを遠隔操作したりすることのできるWeb教材である。
     他の地域の計測データを利用できれば,地域によるデータを比較するなどして学習を深めることができると考えられる。
     計測機器や実験装置などを遠隔操作できれば,学校ではできない観測や実験などを取り入れて学習の幅を広げることができると考えられる。
      図8
     
     チュートリアル型Web教材
       「チュートリアル型」は,完全個別学習をオンライン上で実現するWeb教材である。学習者は,IDやパスワードなどで管理される。学習履歴はデータベース化され,学習内容を個別化したり,学習状況を評価したり,次の学習への指針を与えたりすることに利用される。
     チュートリアル型Web教材の中には,オンライン上ですべてを解決するのではなく,ヘルプデスクなど学習者を支援するためのシステムを別に用意しているものもある。メンタリングを充実させることで学習効果を更に高めようとするものである。
     チュートリアル型Web教材は,教材分析から始まりコースウェアの作成に至るまでに多くの時間を要して開発される。コースウェアをWeb化するためには,オーサリングシステム(教材作成支援システム)のような専用ソフトウェアを利用しないと,開発はむずかしいと考えられる。
       
       以上のように,Web教材を7つの型に分類したが,複数の型を関連づけて学習活動を支援できるようにしているWeb教材もある。Web教材は,他のWeb教材とリンクさせて構成することができるからである。例えば,図5のドリル学習において,ヒントボタンにリンクを設定することにより,解説指導型やシミュレーション型など適切なWeb教材を用いてヒントを与えることができる。また,ヒントとして適切なWeb教材が,他のサイトから発信されていれば,そのWeb教材にリンクさせてもらうこともできる。(リンク先に許可をいただくと良い。)


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