VIII  研究の実際
 
  1.  「インターネットを利用する教材」についての基本的な考え方
     「インターネットを利用する教材」の事例を調査する前に,「インターネットを利用する教材」とはどのような教材であるか協議した。その結果,「インターネットを利用する教材」を次のように定義した。
    ○ブラウザだけで利用できる教材である。
    ○インターネットで公開できる教材である。

    (1) ブラウザだけで利用できる教材
       ブラウザとは,Webページを閲覧するためのソフトウェアのことである。Webブラウザともいう。Microsoft社のInternet Explorer やNetscape Communications社のNetscapeNavigator などが代表的なブラウザである。
     「ブラウザだけで利用できる教材」とは,ブラウザさえあれば教材を利用することができ,ブラウザ以外のソフトウェアは一切必要としないことを示している。(プラグインのようにブラウザに新しい機能を付け加える追加ソフトは例外である。)
     ブラウザは,OSに付属してインストールされていたり,様々なOS上で動作するものが無料で提供されていたりする。このことから,「ブラウザだけで利用できる教材である。」と定義することにより,「インターネットを利用する教材」は,様々なコンピュータ環境で利用できる教材となる。
       
    (2) インターネットで公開できる教材
       「インターネットを利用する教材」がインターネットで公開されていれば,インターネットに接続できる環境を整えることで,いつでも,どこでも,だれでも学習ができるようになる。そこで,「インターネットを利用する教材」を「インターネットで公開できる教材」と定義した。
     ところで,「インターネットで公開できる教材」は,学校内の限られたネットワークの中だけで使うこともできる。それは,学校内のネットワークがインターネットで使われているネットワーク技術と同じ技術で構築されているからである。学校内の限られたネットワークの中だけで,「インターネットを利用する教材」を公開すれば,インターネットの利用環境が整っていない学校でも,「インターネットを利用する教材」を使って学習することができる。
     従って,「インターネットで公開できる教材」を開発すれば,その教材は,インターネット上でも学校内のネットワーク上でも,どちらでも使える教材となる。このことから,「インターネットを利用する教材」を「インターネットで公開できる教材である。」と定義することにした。


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