5.研究の成果


(1)  創造性に関する実態調査の結果
 音楽科の授業に創造的な学習活動をどのように位置付けるか。の問いに対して,既存の音楽作品を自ら工夫して演奏する活動(全体16.8%)や,児童生徒が自分自身の考えに基づいて,自分たちなりの新しい作品をつくりあげる活動(全体15.7%)の数値が,音楽表現を工夫していく活動(全体67.0%)に比べて低かった。このことから,創造的な学習活動の位置付けは,まだ,十分でないことが分かる。
 児童生徒が授業の中で,自分の発想やよさを一番生かしやすい領域は何かの質問に,教師は,小学校でつくって表現する活動を挙げている。これに対して中学校では,歌唱(合唱)の回答が多く,学校行事になっている合唱コンクールの影響が大きいことが分かる。また,児童生徒については,音楽的な体験が少ないため目の前のことでの判断と思われる。
 児童生徒が自分の発想やよさを一番生かしやすいのは,友達と一緒に活動しているときである。音楽のもつ響きや美しさは,複数からの方が感じ取りやすいこと。また,抽象的で分かりにくい部分は,友達同士でコミュニケーションを図ることで理解できると考える。
(2)  授業研究の成果
 創造性を育成する手だてとして,グループによる活動を行い,イメージの似ている児童生徒をグループ分けするなど工夫が見られた。また,相互のコミュニケーションを積極的に図ることによって,児童生徒それぞれのもっている発想やよさが,生きるような支援を行うことができた。
 イメージすることにていねいに時間をかけており,思っていることが生きるような支援を行った。また,表現する際に楽器等の数を増やすなど,細かい配慮が感じられた。
 教材の提示の仕方がじゅうぶんに検討されていたため,児童生徒は段階に応じて選択でき,授業に主体的に取り組めた。また,学習カード等を活用することによって,自分の発想やよさの生かし方,つまずきなどについて振り返り,次時へのめあてをもたせることができた。
 音楽科における創造的な学習活動についてポイントを絞り,つくって表現する活動や創作などに積極的にアプローチし,一人一人のもつ創造性や感性を深めることができた。

音楽目次に戻る