巻   頭   の   こ   と   ば

茨城県教育研修センター所長  増 田 一 也      

 このたび、本研修センターの研究事業のひとつとして,教職教育課が中心に取り組んできた領域に関する研究「特別活動の指導の在り方」の研究事業報告書が刊行される運びとなりました。

 本研修センターでは、各学校の教育実践に役立てるために教科や領域に関する研究事業を行っていますが,平成6年度より4か年にわたって「主体性の育成を図る学校教育」を統一研究主題として研究に取り組んできました。本年度が研究の完結年度にあたり,「主体性の育成」という大きなテーマにどの程度迫ることができたかが問われるわけです。

 特別活動は,「為すことによって学ぶ」活動として戦後の教育課程のなかで大きな位置を占めてきた領域でありますが、言うは易く行うは難しの例え通り,望ましい集団活動を通して自主的,実践的な態度を培うという目標に迫る実践は簡単なことではありません。おそらく各学校でも,その重要性は認識しながらも、あるべき理想と実態とのジレンマに迷い悩んでいるのが実情ではないかと思われます。この調査研究のねらいも,そうした現状と課題を明らかにすることにありました。

 本年度が統一研究主題の完結年度ということで1か年の調査研究になりましたが,この報告書では、特別活動の指導上のさまざまな問題点,克服すべき課題,或いは望ましい特別活動の指導の在り方に係る提言などを整理してありますので,各学校の実践に活用していただきたいと思います。

 我が国は今、21世紀を目前にして大きな改革の時代を迎えております。変化の激しい社会に対応するために学校教育もまた大胆な発想の転換を迫られ,中央教育審議会や教育課程審議会を舞台に活発な議論が展開されていることは周知のとおりであります。

 平成15年度から実施される方向の完全学校週5日制の下で,第15期中教審が提言した学校生活の「ゆとり」と「生きる力」の育成をどう実現していくのか,今夏の答申を目指す教課審の審議の内容が昨年の「中間まとめ」の公表によって明らかになりました。新しい教育課程の中に特別活動をどう位置付けるのか,教課審の最終答申が待たれるところでありますが,特別活動の特質である集団活動としての「体験」は今後ますます重視されなければならないと考えます。生活体験こそが「生きる力」をはぐくむ源泉と思うからです。教課審の答申はどうあれ,児童・生徒を主役にした豊かな特別活動の実践を引き続き各学校に期待したいと思います。

 最後になりますが,この調査研究にあたってご多忙中のところ調査票の回答,返送に協力いただきました県下小・中学校,高等学校各位に厚く感謝の意を表し,この研究報告書の刊行をもって御礼といたします。

平成10年3月      


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